心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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もし完璧主義を治したいならセルフコンパッションを使うこと

selfcompassion
「自分に自信がない」「完璧主義であることに疲れた」この様な悩みを抱えている人は、自分への優しさが足りていないかもしれません。

自信の無さや完璧主義を改善し、自分に優しくなるためには、まずあなたのありのままの性格や感情を受け入れてみましょう。

しかしいきなり「ありのままを受け入れる」と言われても、何をしたらいいか分からないという人は多いはず。

そこでオススメしたいのが、心理学の自己受容を高めるテクニックです。そのテクニックのことをセルフコンパッションと言います。セルフコンパッションとは、ありのままの自分を受け入れ、自分だけでなく他人にも優しくなれる方法のこと。

セルフコンパッションを鍛えることで、以前とは違う堂々とした自分を手に入れることが出来るはず。今回は、セルフコンパッションについてご紹介します。 

 

 

1.セルフコンパッションは3つの要素で成り立っている

セルフコンパッションの研究家であるクリスティーンネフ先生よると、セルフコンパッションには3つの要素があると言います。

その3つの要素とは、

  1. self-kindness:自分への優しさ
  2. common humanity:共通の人間性
  3. mindfulness:マインドフルネス

です。

この3つの要素を身につけることで、セルフコンパッションは鍛えられていきます。では、順番に何を意味しているのか、見ていきましょう。

1.自分への優しさ

まず一番目の要素「自分への優しさ」とは、他人に優しくするのと同じ様に、自分にも優しくあることを意味しています。

皆さんは、自分に優しくしているでしょうか?

性格や見た目、スキルなど、どこか気に入いらない部分があるかもしれません。しかしその全てを受け入れられず、自己批判をしていては、自尊心が低下してしまいます。

もし、あなたの友人や家族に好きでない所があったとしても、その人のことを嫌いにはならないはず。彼らを受け入れたのと同じように、自分の短所も受け入れ、自分に優しくすることが「自分への優しさ」を持つということです。

2.共通の人間性

「共通の人間性」は、人は誰もが完璧ではなく時には失敗するものだ、という認識を持つことを意味します。

人生において、失敗は避けられないもの。全ての人間がコンピューターの様に、完璧な行動を取れるわけではありません。

もし仕事やプライベートでミスをしても、「失敗するのは私だけじゃないんだ、皆失敗を経験するものだ」と考えるだけで心は軽くなるでしょう。どんな時も、自分を批判する必要は無いという認識をもつことが大切なのです。

3.マインドフルネス

「マインドフルネス」は、思考や感情に囚われず、目の前のことに集中することを意味します。

落ち込んでいるときやイライラしている時、考えことや心配事が頭の中から離れないという方は多いはず。しかしマインドフルネスの状態になれば、どんな状況の中でも、思考や感情に囚われないでいられます。

例えばあなたは車を運転中、交通渋滞にはまったとします。今の進み具合では、目的地に遅れてしまうでしょう。

あなたは、全然進まない車にイライラし始める。もしかすると、怒りに任せてクラクションを鳴らしてしまうかもしれません。

しかしマインドフルネスの状態に入れば、イライラはなくなります。怒ることよりも、もっと大事なことに目を向けられるのです。例えば、同席の家族や友人と他愛もない話をして、今の状況を楽しんだりできるなど。

マインドフルネスの状態にあるということは、今この瞬間の大事なことに集中できるということなのです。

 

2.セルフコンパッションがもたらす4つの効果

「自分に優しくしてしまうと、向上心が失われそう」「自分のダメな性格を受け入れるのは、怖い」セルフコンパッションを学び始めて間もない頃は、この様な考え方をするかもしれません。

しかしセルフコンパッションの考え方は、自分のダメな部分も認めてあげて、自分にとって大事なことに向き合えるようになるもの。自分を甘やかすこととは違います。

以下にセルフコンパッションのメリットについて自分なりに感じたことをまとめていきます。どの様なメリットがあるのか見た上で、実践するかどうか決めてみてはいかがですか?

 

2.1先延ばし癖が治る

「やらないとダメなのに、ついスマホをいじってしまう」「期限の間近にならないと、行動できない」今すぐ行動しないとと思っていても、つい他のことをやってしまい、いつの間にか時間が過ぎていた経験はないでしょうか?

先延ばしは、意思の力で治そうとしてもどうにもなりません。しかしセルフコンパッションを実践すると、先延ばし癖は治るのです。私もそうだったのですが、先延ばしをする人にはある共通点があります。それは、「失敗が怖い」と、「楽しくない」の2つです。

2つの対処法を見ていくとすると、まず「失敗が怖い」は、セルフコンパッションの2つ目の要素「人間の共通性」によって克服できます。誰もが完璧ではないという認識を持つ人は、たとえ失敗しようと自分に優しさを与え、自分を非難することはありません。失敗しても大丈夫だと言う認識をもてることで、ミスへの怖さが減っていき、先延ばしも減っていくのです。

 

「楽しくない」は、3つ目の要素「マインドフルネス」で対処します。マインドフルネスを使えば、自分にとって本当に大切なことが何なのかを見極め、行動に移せるようになるでしょう。やりたくない課題や仕事を任されたときにどうしても踏み出せない人は、感情ばかりに目が向いて目の前のことに対する価値を見失いがちです。が、マインドフルネスを使うことで、感情に流されずに今この瞬間にやるべきことに目を向けられるようになるので先延ばしは治るのです。

セルフコンパッションで、この2つを克服すれば、先延ばしは治すことができるでしょう。

 

2.2完璧主義でなくなる

完璧主義の主な原因は、自己批判です。「自分への優しさ」と「人間の共通性」は、自己批判を辞めさせ、代わりに自分に優しくなれます。私は自分の性格にコンプレックスだらけで、いつも人と会うときにはがっかりさせるんじゃないか?と心配しすぎていました。それからセルフコンパッションを学んで自分の欠点を受け入れるようになると、不思議と自分に期待しないようになったのです。昔の完璧主義であった自分が嘘のように消えていったのです。

皆さんも「自分への優しさ」と「人間の共通性」を習得すれば、自分の嫌いな性格や、体型など、個性の一部だと受け入れられるように変化していくでしょう。

 

2.3他人や自分を思いやれる

友人や家族に余計な一言で傷つけた、または傷つけられた苦い経験があるのではないでしょうか。そんな時、つい怒りを使って更に状況を悪くしてしまった経験はないですか?

セルフコンパッションの高い人は、高い共感力を持っています。たとえ相手から嫌なことをされても、相手の立場に立って考えることが出来るのです。感情的になることはほとんどありません。そして、相手への理解を示しながら、自分の意見を伝えます。 

逆に相手を傷つけてしまった場合では、自分の間違いを認め、すぐに相手に謝ることが出来るでしょう。自分が悪くないにしても、傷つけてしまったことは事実。相手の心への理解を示します。

セルフコンパッションを鍛えると、より良い人間関係を築けるようになるでしょう。相手にも自分にも理解を示し、思いやりをもつことが良い人間関係に繋がります。

 

2.4人生の満足度が上る

2015年に出た論文では、セルフコンパッションが人生の満足度に関わりがあることを明らかにしています(1)。サンプル数は16,416人。79の研究を統合し、分析したものです。分析の結果は、人生の満足度とセルフコンパッションの相関係数は0.47で中程度の相関があったそう。つまり、セルフコンパッション度を上げることで、人生の満足度も上るということです。

 

3.セルフコンパッションを鍛える方法

今回紹介する方法は、セルフコンパッションフレーズとhuggingです。仕事や人間関係で失敗した時、様々なネガティブな感情が浮かぶかと思います。そんな時にこの2つを使えば、セルフコンパッションが発揮され、心が安定することでしょう。何度も使っているうちに、自然とセルフコンパッションは身に付き、ネガティブな感情に強くなっているはずです。

セルフコンパッションフレーズ

ストレスや不快な感情がやってきたら、この3つの言葉を唱えて、セルフコンパッションを発揮してみて下さい。唱え終わった後、あなたのセルフコンパッションは鍛えられ、悩みが消えていることに気づくでしょう。

 

1.今、私は苦しみを感じている。

これは今、自分がどんな状況にあるのか、認識するための言葉です。他にも「ストレスを感じている」「つらい」など、自分が今どんな状況にあるのか分かる言葉を使ってみると良いでしょう。

 

2.人生には苦しみがあるものだ。

これは人間の共通性を認識するための言葉。他にも「私は一人ではない」「皆苦しみを持っている」など、自分だけが苦しんでいる訳ではないと認識できる言葉を考えて見ましょう。

 

3.私は、自分に優しくなれる。

最後は、自分への優しさを認識するための言葉です。「私はありのままの自分を許せる」などでもいいです。

 

hugging

やり方はいたってシンプルです。準備するものは何もありません。ただ自分を抱きしめるだけです。

やり方は、

  1. 人目のないところへ行く。
  2. 自分の身体をやさしくハグする。
  3. ハグの後、自分の身体の感覚に注意を向ける。(暖かい、落ち着いたなど)

たったこれだけ。

クリスティーンネフさん曰く、「自分の身体に触れることで、オキシトシンが分泌され、安全な感覚を生み、苦しみを和らげ、心臓血管のストレスを落ち着かせる効果がある」とのことです。

この方法のポイントは、思いやりを持ってハグすること。自分のことをやさしく抱きしめてあげましょう。

もしも、人目のないところへいけない場合は、イメージするだけでも効果があるんだそう。本当に効くのか疑問を抱くような方法ですが、とりあえずやってみて下さい。ネガティブな感情が沸いて来た時にこれを使うと、冷静さを取り戻すことが出来ますよ。

 

セルフコンパッションフレーズ以外にも鍛える方法はたくさんあります。もっと知りたいという方は、こちらのあなたのセルフコッパッション度を高めるボディスキャンとは? - 心理の棚でも一部紹介しています。あとは最後に紹介する本でも多くのテクニックが載っています。是非活用ください。

 

4.まとめ

セルフコンパッションとは、自分にも他人にも優しくなれる方法のこと。

自信の無さや完璧主義、人に優しくなれないという悩みを抱えた人にオススメです。

セルフコンパッションは、「自分への優しさ」「共通の人間性」「マインドフルネス」の3つの要素から成っています。この3つの要素を身につけることによって、4つの効果を実感することができることでしょう。

  1. 先延ばしが治る
  2. 完璧主義でなくなる
  3. 他人や自分に優しくなれる
  4. 人生の満足度が上る

何かしらの失敗をした時、セルフコンパッションフレーズを唱えれば、セルフコンパッションは自然と身につきます。セルフコンパッション度が上がると、悩むことに時間を使うのではなく、自分の大切なことに目を向けられるように変わるでしょう。

こちらのエントリーも含めて感情に対する考え方を学ぶと、よりセルフコンパッションを鍛えることが出来るかと思います。不安を解消したいあなたにオススメ!認知行動療法ACTとは? - 心理の棚

 

セルフコンパッションに関する本

英語の本なので、英語が読めない人は下の翻訳されてる本がいいかと。