心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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正しくブルーライトを浴びれば、脳の力がアップする

blue light benefit

「ブルーライトは浴びない方が良い」と思っていませんか?

メディアでは、ブルーライトがいかに目の毒であるか説いていたりします。

しかし実際には悪影響ばかりではありません。実は脳にとっては、いい影響を与えてくれる光でもあるのです。

今回は、ブルーライトと脳の関係についてお伝えします。

 

 

 

ブルーライトとは?

ブルーライトとは、パソコンやスマホなどの液晶から出る波長の短い光のこと長時間この光を見続けると、目の疲れや視力が低下するなど、その有害さが注目されています。皆さんが、スマホで目が疲れるのも、ブルーライトを見続けたからかもしれません。

 

ブルーライトで脳の能力が上がる?

スマホであれパソコンであれ、長時間画面を見続ければ当然、目の疲労は溜まります。しかし、短い時間だけブルーライトを浴びれば、脳のパフォーマンスが向上するかもしれません。

過去にハーバード医科大学が行った実験(1)では、ブルーライトが脳の性能を上げたという結果が出ています。

被験者は35人が対象で、次の2つのグループに分けています。

  1. ブルーライトを浴びる
  2. オレンジの光を浴びる

実験では、被験者に30分間どちらかの光を浴びさせた後、認知テストで脳の変化を調べています。

実験の結果どうなったかというと、ブルーライトを浴びたグループはワーキングメモリと反応スピードが向上したそうです。

これらの脳の能力が上った理由は、著者曰く、「ブルーライトを浴びると、前頭前皮質が活性化するから」とのことです。

さらにその他の研究でも、注意力や警戒、反応速度を上げることが分かっています

もしも、あなたがスポーツの前や試験前などにブルーライトを浴びれば、普段よりも優れたパフォーマンスが出せるかも知れませんね。

 

ブルーライトで記憶力も上がる

新たに行われた研究(2)では、ブルーライトが記憶力を向上させるとの結果が出たようです。

被験者は30人で、単語の記憶テストをさせたそう。実験の流れはこんな感じです。

  1. 約15分間で15個の単語を覚える
  2. 2つのグループに分かれ、30分間光を浴びる
  3. 単語を記憶した時間から1時間半後に、単語テストを行う

最初の記憶からテストまで時間を空けたのは、光が長期記憶に与える影響を調べたかったからみたい。

各グループへの介入方法は次の通り。

  1. 30分ブルーライトを浴びる
  2. 30分黄色の光を浴びる

つまり、2つグループの違いはブルーライトか普通の光かだけ。一時的にブルーライトを浴びさせ、記憶力が上るか調べたようです。

さて、結果は、

  • ブルーライトグループの記憶力の低下は1.48%だった
  • 黄色の光グループの記憶力低下は14.62%だった

とのこと。なんとグループ間の差は、約12%。ということで、ブルーライトの圧勝になりました。

なぜブルーライトで記憶力が上がったのかというと、著者曰く、

このブルーライトの介入による記憶の定着への効果は、刺激されるとノルアドレナリンの分泌量が増加することで知られる、前頭葉の活性化によると予測される。

とのこと。どうやら、ブルーライトは前頭葉を活性化させ、その影響で記憶力が上がるみたいです。

たった30分浴びるだけでも、記憶力に12%も差が出るので、勉強前に実践してみるのはありかも。

 

ブルーライトで睡眠の質は下がるの?

ブルーライトで脳の力が高まるとはいえ、睡眠への影響が気になる方も少なくないはず。

巷では、ブルーライトカットが推奨され、専用のメガネをかけて対策を取るという人がいます。が、現在の研究ではその効果についてよくわかっていません。

ワシントン大学らのチームが行った研究(3)によると、ブルーライトカットには、目の疲労を減らす効果はあるようです。しかしその他の論文では、疲労減少以上の効果は特に確認されていません

質の高い研究を集めて分析した論文(4)でも、ブルーライトカットのメガネは、睡眠の質や目の健康を向上させるか分からない、との結論を出しています。

ということで、睡眠の質に限っては、ブルーライトカットはあってもなくてもそんなに効果はなさそうという結論になるでしょう。

もちろん、長時間パソコンやスマホを見る人は、目が疲れるのでかけた方がいいとは思います。

夜に浴びると健康リスクが上がるかも

記憶力に関する研究を紹介したとおり、日中ブルーライトを浴びることは脳にとってメリットがあります。では夜中に浴びた場合はどうでしょうか?

「寝る前にスマホを見ると睡眠の質が下がる」などという声をよく聞くので、なにかしらのデメリットはありそう。

そこでリサーチを進めると、多くのリスクがあることを発見しました。

論文で分かったのは、夜中の光が体内時計を狂せ、セロトニンの量が減って睡眠の質が下がる、がんになる確率が上るなど。

そして特に問題なのは、乳がんになる確率です。夜中に働く人たちを調べた研究(5)では、意外な事実を明らかにしています。なんと、夜中に働いている人たちほど、乳がんの発生する確率が50~100%高かったのです。

つまりブルーライトに関わらず、夜中に光を浴びると、大きな健康リスクに繋がるということ

夜には照明を暗くするなど、出来る限り光に当たらないよう気をつけておきたいところです。

 

まとめ

リサーチを進めた結果、ブルーライトには悪影響ばかりでないことが明らかになりました。もし短い時間だけ浴びれば、前頭前野が活性化して記憶力は12%上がり、ワーキングメモリまで上ります。ブルーライトは脳の機能をアップしてくれるよい光でもあるのです。

もちろん、スマホなどを長時間見続けるのはオススメできません。特に夜中に光を浴びると、がんのリスクが上ったり、睡眠の質が下がったりと、悪いことだらけ。

ブルーライトを上手く活用するには、日中に浴びること。また、光には体内時計をリセットさせる効果もあるので、朝起きた後に浴びれば、目がスッキリするかもしれません。