ストレスを減らしたり、不安を減らしたり、瞑想のメンタル改善効果について知っている方は多いでしょう。では、創造性はどうでしょうか?
スティーブジョブズや、ビルゲイズなど、極めて創造的な人が瞑想に取り組んでいたのは有名な話です。ということは、「瞑想を行えば彼らのようにクリエイティブになれるのでは」と考えている方もいるはず。
そこで今回は、創造性と瞑想との関係をお伝えします。
瞑想とクリエイティブとの関係とは
2014年の論文(1)によると、短い瞑想がクリエイティブな能力を上げると結論付けているようです。実験の対象となったのは、瞑想をしたことのない中国の大学生40人。ランダムに次の2つのグループに分けて介入を行ったとのこと。
- 30分の瞑想をするグループ
- 30分のリラクゼーショングループ
それぞれの被験者に1日30分の介入を7日間させ、最後に創造性を測ったそう。瞑想グループがやっていた瞑想は、中国式の瞑想であるIBMTという方法らしいです。
特徴は、体の感覚と思考とをバランスよく観察すること。一点に集中する呼吸瞑想とは違う瞑想法とのこと。
リラクゼーショングループは、ボディスキャン瞑想のように、体の感覚に注意を向けるリラクゼーションを行っています。
さて、介入の後、被験者間での違いを見ると、
- 瞑想グループは、ポジティブな感情が増え、ネガティブな感情が減った
- 瞑想グループは、リラクゼーショングループよりも創造性が上がった
とのこと。
瞑想は、メンタルだけでなくクリエイティブな能力まで上げてくれるようです。実験者はさらに瞑想の何が創造性を上げさせたのかも分析し、結果何が分かったかと言うと、
- ポジティブな感情への変化が創造性に影響を与えた
- ネガティブな感情の減少が創造性に影響を与えた
といった感じに。瞑想によるメンタルの安定化で、創造性が上がったということになります。クリエイティブになるには、ポジティブな感情が増えることが鍵となるようです。
さて、今回の実験から著者曰く、
「拡散思考タスクのクリエイティブなパフォーマンスには、リラクゼーショントレーニングよりもIBMTの方よいと結論付けた」
ということで、仕事前やテストの前にはとりあえず瞑想をやっておけば、よりよい成果が出せるかもしれませんね。
また、著者はネガティブな感情についてこのように記述しています。
「ネガティブな感情は、認知の柔軟性と創造的な問題解決を妨げるだろう。」
不安や落ち込んでいるとき、思考が頭から離れなかったりするので、確かに創造性は低下しそうな気がします。アイデア出しには、心の状態が強く影響するようですね。
まとめ
1日30分の短い瞑想でも、創造性は向上します。
瞑想のポイントは、1点集中ではなく、心と体の両方の感覚に集中すること。
思考に判断を加えない方法がいいので、オープンモニタリング瞑想なんかがいいと思います。