ストレスや不安をものともしない、鋼のメンタルをしている人っていますよね。
彼らの特徴は、神経症傾向が低いこと。さらに、最近の心理学では、握力も影響していると言われています。
今回は、2017年に出た論文(1)から、神経症傾向やその他もろもろの特徴と握力との関係をご紹介します。
握力と性格との関係性とは
ウィスコンシン大学は論文にて、握力が性格の一部などと関係していることを明らかにしました。
被験者数156人、平均年齢20歳の人たちを対象に、同大学は実験を行っています。
実験で使用されたのは、市販のハンドグリップと氷の入ったバケツの2つ。バケツでストレス反応を引き出し、ストレスに対する敏感さなどと握力との関係を分析したそうです。実験は次のようなデザインです。
- ハンドグリップで握力を測る、質問紙で誠実性や神経症傾向などを測る
- ランダムに4つのグループに分け、瞑想や注意コントロールのトレーニングを行う
- 氷の入ったバケツに3分間、手を入れさせ、ストレス反応を引き出す
- ハンドグリップで、握り続けられる時間を測る
性格やストレスへの反応度など、複数の特徴が握力に与える影響を見ていったんですね。
ただ一つ疑問なのが、なぜ、瞑想と注意トレーニングを行ったのかということ。もしかしたら、被験者に実験の意図を知られない(盲検化)ために行ったのかもしれません。
さて、実験の結果どうなったかというと、
- グリップを握り続けられる時間が長い人ほど、神経症傾向(r=-0.38)や不安の感受性(r=-0.29)、主観的なストレス度(r=-0.28)が低かった
- 握り時間が長いほど、マインドフルネスの能力(r=0.19)やポジティブな感情が高かった
- 誠実性に違いは無かった
- 1回目の握り時間より、2回目の方が長くなっていた人は、ネガティブな感情が減っていた
- 女性の方が、握る時間と神経症傾向の相関を強く表していた
といった感じに。
グリップを長く握り続けられる人は、神経症傾向が低く、メンタルが安定しているようです。
確かに、自分の過去を振り返ってみても、神経症傾向が高かった4年前は握力が低く(30なかった)長く握っていられなかったので、当たっているように思えます。
まとめ
ハンドグリップを使って握り続けられる時間の長さを調べれば、神経症傾向が高いかどうか分かるようです。
しかし問題は、比較対象がないところ。1日1回握り続けられる時間を測って、瞑想などのメンタルトレーニングをした後もう一度測ると、変化を感じれていいかと思います。
神経症傾向は、自己コントロール能力に通じるところがあり、人生の成功に重要な要素です。低い人はメンタルを鍛えることをオススメします。
今回の論文では、男性よりも女性の方が高い精度で性格を予測できたそうです。なので是非、女性の方はグリップを長く握れるか試してみてください。