心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

20181114133451

MENU

不安を解消したいあなたにオススメ!認知行動療法ACTとは?

ACT

こんな悩みを抱えている方にACTはオススメです。

「瞑想を続けても不安が消えない」「不安のせいで人生に苦しんでいる」

ACTとは最近注目を浴びている認知行動療法のこと。「Acceptance and Commitment Therapy」の略で、3つの要素から成り立っています。今回お伝えするのは、この3つの要素を使った不安対策です。

後ほど詳しく説明するのですが、先にその要素に触れておくと、

  1. 自己と他者を受け入れること
  2. 価値を定めること
  3. 価値に専心すること

ということを示しています。

ACTを学んだ人は、不安が減ったり、幸福度が上ったりと人生の満足度が上昇していくようです。不安症や恐怖症など、強い不安を抱えた人にも効果が表られるのも特徴の1つ。今回は、ACTの3つの要素から不安を対策する方法をお伝えしていきます。

 

 

不安症だった私はACTで変われた

なんだか胡散臭い見出しですね。しかし、私はACTを学んだことで確かに不安に強くなったように思います。

20年間、不安と戦い続ける毎日。家から一歩外に出るだけで、人目が気になるくらいの重症っぷり。

「歩き方変かな?他の人に自分はどう映ってるんだろう?」などと考えて、いつも周りを気にしていました。ですが、今は違います。ACTに出会ってから不安に悩まされなくなったのです。

街を歩いていても人目は気になりませんし、心にゆとりを持っています。

しかも友人と一緒に居ること、家族との夕食、本を読むことなど…不安のことで悩んでいた時間が、大切な時間のために使えるようになったのです。

もしも、不安が強くて悩んでいるという方がACTを学んだら、きっと不安に悩むことが減っていき、大切なことに時間を使えるようになるでしょう。順番にACTの要素を説明するので、一緒に不安対策を行ってみてはいかがでしょうか?

 

1.自己と他者を受け入れること

不安になると、胸がドキドキしたり、自分が失敗しているシーンが頭に浮かんだりしませんか?そんな時、不安や緊張をコントロールできればいいのにと思ってしまうことがあると思います。

ですが、感情をコントロールしようとするのは逆効果となるでしょう。

不安の勘違いを正してみる

次の様に考えている方は、不安を勘違いしているかもしれません。

  1. 不安は悪いものである
  2. 不安が人生の障害になっている
  3. 不安はコントロールできるものだ

どうでしょうか?1つも当てはまっていなければ安心。しかし、当てはまっていた方でも大丈夫です。ACTを実践すれば、少しずつ考え方が変わっていくかと思います。 

この3つの考え方には、誰もが勘違いする不安への誤解が現れています。では、この考え方のどこが誤解なのでしょうか?

それは、3つとも不安を否定しているところです。どれもまるで不安が悪者かの様に考えているんですね。そもそも不安というのは、否定しようとすればするほど大きく膨らみ、より強い感情へと変わってしまうものです。大きくしないためには、不安を受けれいれる必要があります。「じゃあ、不安を肯定すればいいんだ。レッツ!ポジティブシンキング!」残念ですが、これでもうまくいきません。

正しい向き合い方というのは不安を受け入れること。不安は避けられるものではない、ずっと付き合っていかなければならない感情だということを理解してみましょう。そうすれば、考え方も変わっていくはずです。

不安を受け入れるには?

いきなり「不安を受け入れる」と言われても、すぐに出来てしまう人などいないと思います。

そこで、マインドフルネスを身につけてみましょう。マインドフルネスの研究をしているカバット=ジンさんは、マインドフルネスをこの様に定義しています。

「特定のやり方で、意図的に、この瞬間に何ら判断を加えることなく注意を向けること」

引用:マインドフルワーク 著:デイヴィッド・ゲレス

簡単にいうと、感情を否定せず、ありのままに観察すればいいんです。

ありのままを観察...んー、よく分からない。そんな方は、マインドフルネス瞑想を実際に行ってみましょう。きっと感覚をつかめるはずです。

 

やり方は、タイマーを5分にセットし、1から順番に行っていきます。

  1. イスに座る。
  2. 楽な姿勢で、背筋を伸ばす。
  3. 頭から足の先まで、体の感覚に注意を向ける。(暖かいのか?冷たいのか?どんな嫌な感覚もありのままに観察すること)
  4. 呼吸のみに注意を向ける。鼻から息を吸って、吐いて。出たり入ったりする感覚に注意を向けること。
  5. 時々、注意が逸れてほかの事を考え出すはず。注意が逸れたことを認め、再び呼吸に集中する。

3まで進んだら、後は時間一杯まで4と5を繰り返します。

どうでしょうか?実践してみると、「ありのままを観察する」がなんとなく分かったのではないでしょうか。

1日5分だけでも練習すると、マインドフルネスは自然と身につきます。不安がやってきた時には、マインドフルネスで感情を受け入れ、感情への判断を手放す。

マインドフルネスを練習し続ければ、自然と無意識の内に不安を受け入れられるようになっていきます。とにかく否定せずに受け入れるという姿勢を心がけてみてください。

これができれば、ACTの1つ目「自己と他者を受け入れる」はクリア。

次の要素である「価値を定めること」にいきましょう。

2.価値を定めること

皆さんは、価値観を持っていますか?価値感はどんな苦しい状況の中でも、私たちに進むべき方向を教えてくれる大切なアイデンティティです。なにか1つでも大切だと思えるものを意識しておけば、きっと私たちの力になってくれることでしょう。

皆さんの中には、「友達を大切にしたい」「家族を思いやる」「人に誠実でいたい」など、いろいろな価値観をお持ちのことだと思います。私の場合は、「信頼できる情報を人に届ける」ことです。しかし何も価値を見つけられていないというかたもいるはず。そんな方はまずは1つでも大切なことを見つけてみるところから始めましょう。

価値観とは?

価値観とは一体何のことでしょうか?短く言うと、方向性のことです。臨床心理士スティーブン・C・ヘイズは、論文(1)の中でこう述べています。

価値観とは、「実行可能なもので、人生の長きに渡って有効なものでなければならない

分かりにくいかもしれないので、似た意味を持つ「目標」と比べてみましょう。

目標とは、達成されるものを指します。例えば、「テストで100点を取る」「子供を持つ」などです。

反対に価値観とは、永遠に続く活動を指します。「テストで100点を取り続けるような勤勉な人間でありたい」「子供と友人のような関係でいたい」などですね。

目標は、達成さるれもの。価値感は、永遠に続くものです。

価値観を見つけてみる

価値観と目標の違いが分かったでしょうか?次は、実際に、あなたの価値観を考えて見ましょう。どんなものでも構いません。ネット検索で見つけるのもありです。

どうしても浮かばないという方は、あなたの長所から探すことをオススメします。ポジティブ心理学という分野では、あなたの強みを見つけてくれるサービスを提供してくれています。(Free Character Strengths Study at VIA Character)こちらの結果から、価値観を定めてみてください。

価値観を見つけることが出来たら2番目の「価値を定める」はクリアです。

最後に、3つ目の要素である「価値に専心すること」から価値観をどうやって不安に使うのか学んでみましょう。

3.価値に専心すること

価値に専心するとは、価値観に沿った行動を続けることをいいます。

不安がやってきた時、あなたは、どんな行動を取りますか?

「不安から目をそらす」「不安がなぜ起きているのか考える」「音楽を聞いて紛らわす」など、頑張って不安を消そうとしていませんか?

実は、不安を消そうとすることは無駄な努力でしかありません。「ふん!簡単に言うんじゃない」「不安が消えないのが悪いんだ」これを読んだ人から、そんな言葉が飛んできそうです。しかし実際、不安は消そうとしても消えないのです。それはなぜなのでしょうか?

シロクマのことを考えるな

心理学でよく使われる思考実験を行えば、理由が分かります。これから紹介するのは、「シロクマのことを考えるな」実験です。

実験の方法はいたってシンプル。シロクマのことを2分間考えないようにしてみて下さい。色や形を思い浮かべてはダメです。

どうでしょうか?あなたは1分とも絶たず、シロクマのことを考えたのではないですか?私は1秒も持ちませんでした。

この実験からも分かるように、思考や感情はいくらコントロールしようとしても無駄となります。

しかし落ち込むことはありません。嫌な思考や感情とうまく付き合うことはできるのです。

価値ある行動を続けよう

もうあなたは、思考や感情をコントロールする代わりに、判断を手放すことが出来ます。どうしたら良いかというと、マインドフルネスを使えばいいのです。感情や思考への判断を手放せば、あなたは価値ある行動に集中することが出来るはず。次々とやってくる不安な気持ちや思考に反応するのではなく、コントロールを手放してみてください。

あなたはマインドフルネスを使えば、不安を持ちながらも価値に従って行動できます。不安を受け入れながら、価値観に沿った行動を続けてください。「勤勉でありたい」なら、読みたかった本を読んでみましょう。「友人と良好な関係を維持したい」のであれば、友人に電話をかけてみましょう。

「不安を持ちながら価値ある行動をする」これを続けていれば、段々と不安が気にならなくなっていくかと思います。

不安を受け入れるのには勇気が要る

もちろん、不安を持ったまま行動するのには勇気がいります。しかし、一番怖いのは最初の一歩だけです。何度も行動する内に、怖さは減っていくことでしょう。

はじめて自転車に乗った時のことを覚えていますか?はじめは、バランスを取ることができなかったですよね。何度も転んで体中にあざをつくったかと思います。それでも、あきらめずに挑戦したから、自転車に乗れるようになったのです。

失敗しても構いません。挑戦し続けることが大事です。いつの日か不安に悩む時間がなくなったことに気づくでしょう。

さて、「価値あることに取り組み続けること」ができれば、3番目「価値に専心すること」はクリアです。これで、あなたは以前よりも不安に強くなっているはずです。

まとめ

 不安は、コントロールできるものではありません。判断を手放すことが大切です。

  • マインドフルネスを使って、不安感を受け入れていきましょう

 価値感とは、方向性のことです。目標とは違います。

  • 自分なりの価値感を見つけましょう

 不安が、いかに価値ある行動を妨げていたか気づきましょう。

  • あなたは、不安を持ちながら、価値あることに集中することが出来ます

不安を持ちながら、価値あることに取り組みましょう。

今回は、ACTについてお伝えしてきました。より詳しくACTを知りたい、もっと不安対策をしたいという方は、次の本を読むといいですよ。マインドフルネス以外にも、こんなエクササイズがあります。バスドライバーエクササイズ、不安というモンスターとの綱引きエクササイズ、等々。どれも不安に役立つ素晴らしいエクササイズです。きっと役に立つことでしょう。

 

今回のエントリーはこちらの本の知識をベースに書いています。