何度も失敗し続けているのに、挑戦し続けられる人っていますよね。この様な失敗した時にすぐに立ち直れる人と、挫折してしまう人の間には、どの様な違いがあるのでしょうか?強い精神力やポジティブ思考など、生まれた時から備わっている性格が関係しそうな気がします。
しかし、マインドセットの研究によると、元々精神が弱かった人でも、心は後からでも強くすることができるそうです。
というのも、ストレスからの立ち直りが早い人には、才能に対する考え方にある共通点があるからです。その共通点とは一体何なのでしょうか?
今回は、強い精神を身につけるために必要なマインドセットについてお伝えします。
1.あなたはどちらのマインドセット?
マインドセットには2つあります。どちらのマインドセットが身に付いているかで、失敗後の成長や、ストレスの回復に大きな差が出るでしょう。
硬直マインドセットの人は才能のせいにする
仕事や勉強で失敗した時、あなたはどちらの考え方をしますか?
- 自分には才能がないから失敗したんだ
- もっと学んで成長したい
1.の反応のことを、硬直マインドセット(fixed mindset)といいます。硬直マインドセットとは、「才能は固定化されたものだ」と考えている人のこと。
この様な考え方の人は、失敗した時に才能がないことを理由にして、努力することを諦めてしまいます。具体的な特徴は次の通り。
- うまくできることにしか興味がない
- 難しいと感じたら、興味を失う
- 才能を発揮できないものに、楽しみを見出せない
成長マインドセットの人は努力を信じられる
次は「もっと学んで成長したい」の反応を取っている方です。このような方は、成長マインドセット(growth mindset)が身についています。
成長マインドセットとは、「才能は努力しだいで伸ばしていくことができる」と考えている人のこと。失敗をした時に、「これから賢くなれる」と前を向いて成長していける人が、成長マインドセットの特徴です。
その他にも、
- 失敗を怖がらない
- できないことにも積極的に取り組む
- 才能は伸ばせるものだと信じている
などの特徴があります。
2.成長マインドセットを学ぶとメンタルがこんなに変わる
成長マインドセットの身についている人は、強靭なメンタルの持ち主です。
学生に行ったマインドセットの実験を例に、成長マインドセットと硬直マインドセットの両者のメンタルの違いを紹介していきます。
2016年に行われたマインドセットに関する実験(1)では、成長マインドセットの人ほどストレスの回復が早いことを明らかにしました。どんな実験だったかというと、
- 参加者は12~15歳の学生96人、それぞれ介入群とコントロール群にランダムに振り分けられる。
- コントロール群の学生は、コンピューターで感情についての学習をし、介入群の学生達は、コンピューターを30分使って、成長マインドセットについて学習した。
といった感じ。
介入前後には質問用紙を使って、うつ傾向や不安、コントロール感などを調べたそうです。
さて、実験の結果どうなったかというと、
- 成長マインドセットを学んだ学生は、行動や感情のコントロール感が向上した。
- コントロール群と比べて、ストレスの回復が3倍早くなった。
とのこと。学生達は、成長マインドセットを学ぶことで、ストレスへの耐性が強くなったようです。
人は状況をコントロールできないと思う時にストレスを強く感じます。なので、介入によって学生達のコントロール感が向上したことは、ストレスへの免疫ができたと言うことになります。確かに、身の回りにいる成長思考の人を観察してみると、皆失敗を怖れず果敢に挑戦していくイメージがあります。彼らが、行動し続けられるのは、失敗してもストレスの影響をうけづらいからかもしれませんね。
3.この5つの方法で成長マインドセットは身につく
成長マインドセットは才能ではありません。『マインドセット─「やればできる!」の研究』の著書であるキャロル・S・ドゥエック博士によると、「マインドセットはいつでも身につけることができる」と言っています。
今回は、成長マインドセットを身につける方法について私が実践した方法をお伝えします。是非実践してみて下さい。
1.脳の可塑性について勉強する
才能は努力次第で伸ばせるということを、脳の仕組みから学んで見ましょう。例えば、次の様なことを理解してみます。
脳では、1日にいくつもの神経細胞が生成されたり、消失したりしている。新しいことに挑戦したり、練習を繰り返したりすることで神経細胞の消失を防ぎ、細胞間の結びつきを強く出来る。能力や才能は、細胞間の結びつきが強いほど伸びていく。
これは簡単に言うと、人間の脳は日々学び続けることで神経細胞が変わっていき、成長が促されるということ。とにかく新しい挑戦や反復練習をすれば、脳は成長していくのです。
脳の可塑性について理解すれば、人は努力したら変われるということが理解できるようになるでしょう。
2.努力を褒める
才能を褒めてしまうと、失敗した時に「才能がないから失敗したんだ」と考えて、挑戦し続けることを諦めてしまいます。
努力自体を褒めれば、努力の過程そのものを楽しみながら、挑戦することが出来るようになるでしょう。
3.ゴールを設定する
努力と結果が結びついたことを認識すると、更に成長したいと思えるようになります。何かに挑戦する時は、必ずゴールを設定し、目指すべき場所を明確にして置いてください。
4.実際にマインドセットを使っている人の話に触れる
理論的に才能は伸ばせると理解していても、感情で納得していなければマインドセットへの理解はなかなか深まりません。
実際にマインドセットを使っている人の話を聞いたり、文を読んだりすることで理解が深まります。
例えば、挫折を経験した後に成功を手にした、という人の本を読んで見るのがオススメです。有名な経営者の話などをネット検索するのも良いでしょう。私は読書が好きなので、孫さんの本だとか読んでたら自然と成長マインドセットは身についた気がします。
5.他人へのアドバイスを書いてみる
挫折した時にどうやってマインドセットを使ばいいか、人にアドバイスする様に紙へ書いてみましょう。
例えば、仕事で失敗した人に向けて「私はまだ成功していないだけ、まだまだ成長できると唱えるといいよ」みたいに書きます。
この様にマインドセットのシミュレーションをすることで、自分に似たような状況が起きた時すぐに実践出来るようになるでしょう。
4.まとめ
マインドセットには次の2つがあります。
- 成長マインドセット
- 硬直マインドセット
失敗からの立ち直りが早い人に共通するのは、成長マインドセットです。成長マインドセットとは、才能は努力で伸ばせるという考え方のこと。
学生を対象にした実験では、マインドセットについて学んだ学生はストレスからの回復が早くなっています。
今はまだ硬直マインドセットだという人も、後からマインドセットは身につけられます。私もマインドセットを学んでから身につけることが出来ました。今回紹介した5つの方法を試せば、きっと身につくはずです。
最後に、マインドセットへの興味が沸いたと言う方にオススメの本を紹介しておきます。