心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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喉が渇いただけでこんな心理状態になる

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「緊張して汗がとまらない」「運動で一杯汗をかいた」

体の水分が失われる瞬間は、意外と身近にあるもの。当然、汗をかくと喉が渇くわけで、水分補給が大事だとされています。  

しかし誰もが「水分は大事だ」と直感的には理解しているものの、実際、心理的にはどんな悪影響があるのか知らないという方も少なくないはず。事実、私がそうでした。水を飲む量が少ない日は、なんかだるさがあるなと思っていたのですが、確かにその症状も見られるようです。

今回は、水分が認知能力と気分に与える影響についてお伝えします。

 

 

水分が不足すると、男性は頭が悪くなる?

これから水分不足の悪影響について紹介するのですが、どうやら水分不足のデメリットは、男性と女性とで違いがあるようです。まずは、男性から紹介していきます。

2011年に出た論文(1)では、脱水と認知能力、気分との関係性について調べたようです。被験者は26人で、次の3つのグループにランダムに分けて実験を行ったとのこと。

  1. 運動で脱水を誘発+利尿剤
  2. 運動で脱水を誘発+プラセボの薬
  3. 運動+定期的に水を摂取(コントロール群)

1,2のグループは40分間トレッドミルで歩かせ、体の水分を1%減らさせたそうです。一応薬も使って、脱水を誘発させようとしたようですが、1,2のグループ間に減り方の違いは無かったみたい。つまり、相当な水分不足グループと減っていないグループとで比較したということです。

 

さて、結果どうなったかというと、

  • 1%減のグループは、監視作業(注意を持続させる)テスト、ワーキングメモリ(一時的な記憶保存の場所)テストで成績が低下
  • 脱水により緊張や不安、疲労や怠惰が増加

といった感じに。認知能力は下がるし、気分は悪くなるしで、いいことは何もありませんね。

 

さらに研究者曰く、これらの症状は身近にあるらしく、

「アメリカスポーツ医学会によると、今回の実験の水分減少は正常値をわずかに超え、軽度の脱水症状の基準を満たしたとのことだ。そしてこの値は、大人が日々の活動中に、日常的に遭遇する可能性がある」

とのこと。定期的な水分補給をしないと、知らぬ間に認知能力や気分が悪化してしまうようです。気をつけないといけませんね。 

女性は水分不足で認知能力が下がらない?

次に、女性に関する研究(2)を紹介します。男性と違って、認知能力には大して悪影響がないようです。 

研究が行われたのは、先ほどと同じく2011年。被験者は25人で、次の3つのグループにランダムに分け実験を行ったそうです。

  1. 運動で脱水を誘発+利尿剤
  2. 運動で脱水を誘発+プラセボの薬
  3. 運動+定期的に水を摂取(コントロール群)

先ほどの研究デザインとほとんど似ていて、研究チームも同じみたいです。

 

実験の結果はこんな感じに。

  • 脱水グループは、活発さや、疲労、怠惰などの気分が悪化
  • さらに、認知タスクへの主観的な難しさや、集中力、頭痛などのスコアが悪化

男性への実験と違って、認知能力は下がらなかったみたいです。しかしその代わりに、気分の悪化が大きく現れたみたい。男女で差が出るとはびっくりな実験結果です。

 

もちろん、研究者は影響が薄いからと言って水分が不足してしまうのはよくないと指摘しています。研究者曰く、

すくなくとも女性にとって、最適な水分量を維持することは、最適な気分や症状を減らすために不可欠である。

とのこと。認知能力は下がらないものの、女性も同様に水分補給を気をつけなければなりませんね。特に運動後や、気温の高い日には、いつもより多くの水を飲んだ方が賢明です。

まとめ

実験では体の水分量が1%以上減少すると、男性は認知能力や気分が悪化。女性では、気分のみが悪化しました。

水分量が1%減になっているとき、人は「喉が渇いた」と感じます。喉が渇く前に、一杯飲んでおくのがオススメです。