心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

20181114133451

MENU

ストレスをツールとして利用するリアプレイジングという方法

test stress

「緊張すると、いつもの力が発揮できない 」「テストやプレゼンの前には不安を感じる」

この様な方は、「緊張や不安によるストレス」を誤解しているかも。

ネガティブな感情は、それ自体が悪いわけではありません。不安を感じやすい人ほど、言語能力が高かったり、リスクを上手く避けられたりなど、一見悪そうな感情にも良い点はたくさんあるのです。

しかし、実力を試されるような場面で、頭が真っ白になってしまう人もいます。このような人は一体どうすれば、実力を発揮できるのでしょうか?

今回は、「緊張や不安のストレスを力に変える」リアプレイジングという方法についてお伝えします。

ストレスをどう捉えるかで、テストの成績が変化

2016年に出た論文(1)では、「ストレスの捉え方次第でテストの成績が変化する」ことを示しています。

実験の参加者は、平均年齢29歳の93人の男女。被験者には、はじめに数学のテストを受けてもらい、後に2つのグループへとランダムに分け、介入を行っています。

実験の手順はこんな感じ。

  1. 数学のテストを実施
  2. 「リアプレイジング」グループと、プラセボグループ(コントロール群)にランダムに分け、介入を行う
  3. 再び数学のテストを実施し、両グループの成績の変化を比べる

リアプレイジングとは、日本語で再評価という意味。具体的には、ストレスに対する「悪いもの」という考え方を「良いところもある」に変え、ストレスをツールとして使えるように再評価させる方法です。

実験でどのような介入を行ったかと言うと、リアプレイジンググループは、

  • テスト中のストレスに害はないことを教える
  • ストレス反応がパフォーマンスを上げることを説明する

のように、ストレスは成績を上げるツールとして利用できる」ことを学びました。

プラセボグループは、

  • テスト中のストレスは無視するのが一番である、という科学記事を読ませた

といった介入です。

 

さて実験の結果、リアプレイジンググループはプラセボグループと比べると、

  • テストを解く自信が上がった
  • テストへの主観的な怖さは変化なし
  • 不安が減少
  • テストの成績が向上
  • リアプレイジングによる長期的な効果として、テストの成績が8ポイントほど上がると分析した(例.一年後にもう一度テストを行ったら8ポイントほど差がつく)

とのこと。

ストレスへの再評価は、短期的なテスト成績の向上だけでなく、長期的に見ても効果が表れるようです。

 

著者曰く、

「ここに示したような心理的介入には、「治療費用」という利益が加えられている。つまり、この方法は学校や学生にほとんどコスト無く、多数の生徒へ簡単に広めることが出来る」

ということで、リアプレイジングはまったく費用のかからない手軽な方法とのことです。

ストレスを道具として使うだけで成績がアップするとは、なんとも不思議な方法ですね。

まとめ

テストやプレゼンの前に緊張した時は、「ストレスで成績を上げよう」と考えることで、実力を発揮できるようになるでしょう。

ストレスは抑えようとするのではなく、逆に利用しようと考えた方がいいです。しかしストレスの良い点を知らなければ、リアプレイジングの効果をうまく発揮することが出来ません。

次のようなストレスに関する本を読まれるといいかと思います。