心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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手っ取り早く自信を高めるなら、ヨガポーズをとろう

ヨガが健康や美容に効果的なのは、有名な話です。内臓を強化したり、運動不足を解消するなどの効果があります。

では、メンタル面の変化はどうなのでしょうか?

ストレスが解消されるのはもちろんのことですが、それだけではありません。

ある研究によると、たった数分のヨガポーズで、自分への自信を高められるとのことです。

今回は、ヨガと自信についてお伝えしていきます。

 

 

ヨガはパワーポーズより効果的

パワーポーズを知っていますか?

過去の心理学では、堂々としたポーズのことをパワーポーズといって、面接前や試験前にこのポーズを取ることを勧めていました。このポーズをとると、自信がみなぎって本番に強くなると、研究で報告されたからです。

しかし、ロンドン大学の研究(1)では、2分間ヨガポーズをとると自己肯定感、つまり自信のようなものを高められることを明かしましたそれも、パワーポーズよりも効果的とのことです。

 

研究では、平均年齢22歳の82人を対象に、こんな実験を行いました。

被験者らは4つのグループに分けられました。

  1. ハイパワーポーズグループ
  2. ローパワーポーズグループ
  3. 体を広げるヨガポーズ
  4. 体を小さくするヨガポーズ

ハイパワーポーズは、スーパーマンのように腰に手を当てて胸をはるポーズ。ローパワーポーズは、椅子に座って体を小さくするポーズです。ローパワーポーズのほうは、自信が低下するといわれています。

被験者らは、2分間のポーズをとったあと、自己肯定感の変化を調べられました。

すると、驚きの結果が出たのです。

  • ヨガポーズのほうがパワーポーズよりも自己肯定感が高くなった

これは、想像のつきやすい結果だと思います。

しかし、さらに結果を詳しく見てみると、

  • どちらのヨガポーズも、パワーポーズよりも力が湧く感覚が高まった

とのこと。

本来、体を小さくする姿勢ほど自分への自信が減るはずなのですが、ヨガポーズでは逆に力が湧いたというのです。

つまり、パワーポーズより圧倒的にヨガポーズのほうが自己肯定感を高められるということになります。

 

難しいヨガポーズをとらなくてもいい

ヨガのポーズというと、片足を上げたり、体をぐにゃぐにゃしたりするイメージがありますが、そこまで難しいポーズを取らなくても良いです。

実験で使われたのは、タダアサナとガルダアサナという簡単なポーズでした。なので、誰でも実践できます。

どんなイメージかというと、

yoga

タダアサナは直立して腕を伸ばすだけ(上の写真)。ガルダアサナは鷲のポーズといわれていて、腕を絡ませるだけです。

なんとなく想像で試しても、効果はあると思います。が、正式なポーズでしっかりやった方が効果的なので、やウェブを参考にすることをオススメします。

 

決まったポーズじゃなきゃダメ?

実験で使われたのは、2つだけでしたが、他のポーズでやるのもOKです。お好きなポーズでやってみて下さい。

ヨガが自己肯定感に効く理由は、肺を拡張して呼吸を深くすることができるからです。ずっとパソコンやスマホをいじっていると、ふらふらしてきますよね。ふらふらするのは、悪い姿勢でいたことで、お腹が圧迫されて呼吸が薄くなっていたからです。反対に、よい姿勢で胸いっぱいに呼吸をすれば、エネルギーを感じられます。

ヨガは基本的にどんなポーズでも、呼吸を深くさせられるので、お好きなポーズで試してみてください。

 

パワーポーズは否定されている。でも...

心理学に詳しい人の中には、「パワーポーズは既に否定されてるよ、ヨガも効果ないんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。

しかし、パワーポーズに全く効果がないと決まったわけではありません。気分の改善効果はあります。なので、ヨガにも期待が持てます。

パワーポーズの過去~現在

パワーポーズのオリジナル論文(2)はこういうものでした。

  • パワーポーズを2分間とると、テストステロンが向上し、コルチゾールが減る
  • その結果、リスクを恐れない行動をとれるようになり、チャレンジ精神が高まる

論文の著者のエイミー・カディさんは、ted talksでこの論文を元にパワーポーズの素晴らしさを訴え、世界中で4000万回以上再生されるほどの話題となりました。ちなみに本も出しています。

しかしその後、別の研究者がもっと多くの被験者を使ってカディさんと同じ実験を行ったところ、再現性が確認されなかったのです。パワーポーズは、誤りだったことが証明されてしまいました。

 

さらに追い討ちは続き、カディさんの共同研究者もパワーポーズを否定する立場をとり、

  • 統計の誤りがあった
  • もうパワーポーズの研究はしない

と主張したのです。

圧倒的に不利な状況の中、今現在、研究の進捗はどうなっているのでしょうか?

2017年の論文(3)によれば、新しく55の研究を分析した結果、テストステロンとコルチゾールの変化は分からないが気分は高まるとのことです。パワーポーズを研究する価値はあるとも主張しています。

しかし、それからの研究の数は少ないです。

今の所いえるのは、パワーポーズで自信が高まったかのようには感じられるが、テストステロンなどの反応は得られないといったところでしょう。一応効果はあるので、ヨガも効果ないんじゃ?とはいえないです。

 

 まとめ

2分間のヨガポーズで、自己肯定感が高まります。失敗したらどうしようと弱気になってしまうような場面で実践すれば、自信を取り戻せるでしょう。

実験の比較対象にあったパワーポーズは、否定されたものの、気分の改善効果はあります。ヨガポーズは、それ以上に自信を高める効果があるとのことなので、試してみる価値はあるでしょう。