心理の棚

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料理をあれすると、交渉が成功しやすくなる【説得の心理学】

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「どうしても聞いてもらいたいことがある」「取引先との交渉を上手く進めたい」

そんなときには、相手と1枚のお皿でシェアして食べるレストランに行くと成功しやすいです。2人とも別々の料理を頼んで食べてしまうと、交渉は上手く行きづらくなるかもしれません。

新しい研究によると、1人1皿で食事をするのと、同じお皿でシェアをするのでは交渉の成果に差が出るとのこと。

コーネル大学とシカゴ大学の研究から、その事実を見ていきましょう。ビジネスマンや夫に頼みごとをしたい主婦の方、必見です。

 

 

食事のシェアで交渉が有利に

人と料理を分けるのは気を遣いますし、食べるまでに時間がかかって面倒だと思う方がほとんどでしょう。しかし、コーネル大学とシカゴ大学の研究(1)によると、1つのお皿で相手と一緒に食べた方が短い時間で交渉を成立させられるそうです。

 

研究では、3つの実験とメタアナリシスを行っています。メタアナリシスとは、複数の研究結果をまとめる統計手法のことで、信頼性の高いエビデンスです。

1つの実験では被験者を2つのグループに分けて賃上げ交渉のゲームを行いました。

  • 見知らぬ人と1ボールに入ったトルティーヤチップスとサルサをシェアする
  • 1人1ボールのトルティーヤチップスとサルサを食べる

食事を終えると、被験者はマネージャー役と労働者役に分かれて時間給の賃上げ交渉を行いました。交渉のインセンティブを与えるために、彼らは実験者から、ゲームの結果次第で報酬が得られる確率が高まると聞かされたそうです。マネージャーは出来るだけ労働者の賃金を低くしようとし、労働者役はできるだけ高くしようと交渉するのです。

すると驚きの結果が出ました。

  • シェアをしたグループは、しなかったグループよりも早く交渉が終わり、互いに協力しながら交渉をした

このような実験3つと、追加の5つの実験結果をまとめて分析した結果(メタアナリシス)、両グループの差は中程度に大きいものでした(d=0.51)

 

交渉が上手くいった理由は実にシンプルです。料理をシェアする際には、お互いの協力が必要とされます。相手と分ける量を相談したり、どちらが先に食べるか決めたりします。その協力した体験がきっかけとなり、後の交渉をスムーズにさせたのだそうです。

 

別の実験では、友人同士で同じ交渉ゲームをしても同じ結果となっています。友人や初対面の人など、どんな相手にも有効な方法といえるでしょう。

 

失敗するとき

しかし、いつもこの方法が有益に働くとは限りません。

論文の著者曰く、

しかしながら、ビュッフェのような大きい量をシェアするときには協力が起きづらくなるだろう。なにしろ、資源に限界がないからだ。彼らは、自分の欲しいままに料理を手にするし、次に食べる人のことを考える必要もない。

同じように、ケーキのようなはっきり分けられた料理でも協力しづらくなる。

最後に、料理が少ないときには、量の乏しさゆえに競争が促されるかもしれない。

とのこと。

少なすぎず多すぎずの量でないと、逆に交渉は失敗しやすくなってしまいます。協力が必要な料理の量でないと、効果は得られないのです。

 

シェアできないときは同じ料理を食べよう

相手によっては、どうしてもシェアするのが嫌だという人もいます。そんなときは、同じ料理を頼むことで交渉を有利に進められます。

気になる方は、こちらのエントリーをご覧下さい。

食べ物を使って信頼を高めるテクニック - 心理の棚

シェアまたは、この方法を使えば、交渉が成功しやすくなるでしょう。

 

参考文献

(1) Woolley, K et al., shared plates, shared minds: consuming from a shared plate promotes cooperation. Psychological Science, 2018.