前よりもアイデアを思いつかなくなった。人より発想力が無い。
このようなことに思い当たったら、もしかすると、原因はあなたの行っている自己批判かもしれません。
ノースウェスタン大学らの研究では、自己批判が創造性を下げることを明かしました。
そして、その下がった創造性を回復させる方法も見つけています。
自己批判で創造性が下がる
ノースウェスタン大学らの研究では、86人の大学生を対象に実験を行いました。
まずは、全員に共通のタスクを行わせました。
用意された紙に、自分の過去のネガティブな体験を書くというものです。制限時間は5分に設定されていました。
次に、参加者らは2つのグループにランダムに分けられました。
- そのまま書き続けるグループ
- セルフコンパッショングループ
セルフコンパッションが行った内容は、後ほどお伝えします。
各グループの参加者らは与えられた指示をこなすと、最後に創造性のテスト、それから自己批判傾向などを測りました。
すると、面白い結果が出たそうです。
- 自己批判傾向の点数が低かった人たちは、両方のグループとも創造性の成績に差がなかった
- しかし、自己批判傾向の点数が高かった人たちは、そのまま書き続けたグループのみ、創造性が低かった
- セルフコンパッションを行った自己批判傾向のある人たちは、自己批判傾向のない人たちと同等の成績であった
つまり、元々自己批判傾向のある人たちは創造性が低い、しかしセルフコンパッションを行えば、自己批判のない人たちと同程度まで創造性を回復できることが明らかになったのです。
ちなみに、ここでいう創造性とは、オリジナリティのことです。人が思いつきにくいようなアイデアを生み出せると、点数が高くなります。
創造性のテストでは、もう1つ流暢性(多くのアイデアを生み出せるか)も測ったようですが、セルフコンパッションもそのまま書き続けたグループも成績に差はなかったとのことです。
他にも、セルフコンパッションは、うつや不安、完璧主義などに効果的な方法です。気になる方は、こちらをご覧下さい。
もし完璧主義を治したいならセルフコンパッションを使うこと - 心理の棚
セルフコンパッションの方法
今回の実験で行われたセルフコンパッションの方法をお伝えします。
必要なものは、ノースウェスタン大学らの実験ではじめに書いていたネガティブな体験が書かれた紙です。
なので、実践したいという場合は、先に5分間過去のネガティブな体験を詳しく書いてください。
セルフコンパッションのやり方は、こちらです。
- 他人も経験してそうな自分と似たネガティブな体験をリストアップ
- 同じ体験をした友人に向かって伝えるように、自分の体験に優しさや思いやり、理解を示す言葉を書く
- その体験を客観的に見る、状況を1歩引いてみる
この1~3の手順ですが、それぞれセルフコンパッションの3要素を高める練習になっています。
- 共通の人間性
- 自分への優しさ
- マインドフルネス
やり方が想像しづらい人に向けて、例を出してみます。
ネガティブな体験として、プレゼンで教授から一番低い評価を付けられたことを書いたとしましょう。1つ目から順番にやっていきます。
- Cさんも、この間のプレゼンで教授からダメだしされていたな。Dくんは、発表の出来が悪くて単位を落とされたらしい。
- 充分に頑張ってたよね。人から評価されるのは辛いよね。
- 確かに、評価は低かったけど、人前で話す練習になった。一番低い評価だったのは、わたし以外にもいた。
これで終了です。時間を10分くらいに設定して紙に書き出すと良いと思います。
アイデアを考える時間の前に、このセルフコッパッションの方法を試せば、オリジナリティのあることが思いつくようになるでしょう。