心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

20181114133451

MENU

8週間でうつの症状が40%改善するMAPトレーニングとは

MAPtraining

「メンタルが弱すぎる」「心配事が頭から離れない」

こんな悩みを抱えている方にMAPトレーニングはオススメです。

MAPトレーニングとはMental And Physical Trainingの略で、瞑想と有酸素運動を組み合わせた方法のこと。MAPトレーニングに取り組んだ人は、不安やうつの症状を大きく改善しています。

というのも、心が落ち込みやすい人には、ある特徴があります。それは脳の細胞が増えづらいこと。ストレスの多い生活は脳の神経細胞を少なくさせます。なのでメンタルが悪化するんですね。しかし神経細胞を増やすことができれば、メンタルは改善していきます。

そこで役に立つのがMAPトレーニングです。MAPトレーニングに取り組めば、脳の神経細胞を増やしメンタルを改善していけるでしょう。今回は、MAPトレーニングのやり方や研究についてお伝えしていきます。

 

 

1.MAPトレーニングとは

「運動をすると頭がスッキリする」「瞑想中は心が落ち着く」この様な体験をしたことはありませんか?

運動と瞑想には、メンタルを改善させる働きがあります。運動だけをやっている、または瞑想だけをやっているという方はいる少なからずいるはず。しかし2つを組み合わせて行えば、更に大きくメンタルを改善することが出来ます

MAPトレーニングは2013年に、ラトガース大学によって開発されました(DM Curlik,2013)。運動と瞑想はそれぞれ、新たな神経細胞を生み出しやすくし、細胞を維持させますそこで2つを組み合わせたらより効果があるのでは、ということでラトガース大学は、MAPトレーニングを開発したのです。

2.やり方:瞑想と運動

MAPトレーニングは30分の瞑想、30分の有酸素運動の順に行います。まず取り組むのは、瞑想です。瞑想は、20分間の呼吸に集中する瞑想と10分間の歩行瞑想をします。呼吸瞑想のやり方は次のとおりです。

  1. リラックスして椅子に座る(背筋は伸ばす)
  2. 口からゆっくり息を吐き、ゆっくり鼻から息を吸う(5秒吐いて5秒吸う)
  3. 2を繰り返しながら、呼吸の秒数をカウントする
  4. 意識がカウントからそれたら、それたことに気づき、再びカウントに集中する

次に歩行瞑想です。歩行瞑想は呼吸に集中する瞑想と似ています。

  1. 手を後ろで組む
  2. ゆっくりと歩きながら、足の感覚に注意を向ける
  3. 意識が足の感覚からそれたら、それたことに気づき、再び足に注意を向ける

ポイントは、足が地面から離れ、もう片方の足に体重移動する感覚を意識すること。

瞑想が終わったら、次に運動をしていきます。

ざっくりとまとめると、

  1. 5分間のウォーミングアップ(軽く小走りしたり、早歩きしたりして体を温める)
  2. 30分の有酸素運動(最大心拍数の約50-70%の強度で運動すること)
  3. 5分間のクールダウン

と言った感じです。有酸素運動は、ランニングや自転車など、好きなトレーニングを行ってください。運動が終われば、MAPトレーニングは終了です。

やってみると分かるのですが、30分の運動というのは予想以上に苦しいです。ただ、苦しい活動をすればするほど、人間の脳は神経組成が起きやすくなるので、苦しみは成長の証だと言えます。成長のためと割り切ってなんとか続けてみてください。

3.MAPの効果その1

2014年にラトガース大学が行った実験(TJ Shors,2014)では、MAPトレーニングにうつの症状や不安を改善する効果が明かされています。

どんな実験だったかというと、

  • 実験の参加者は、14人の若い母親。母親達は最近、家を失い、数ヶ月~数年にかけて貧困やトラウマ、依存症だった人たち。
  • 8人は8週に渡り週2回ずつ、計16回のMAPトレーニングを行った。あとの6人は対照群。
  • 実験の結果、トレーニングを行った人たちのみうつの症状や不安が大きく改善し、心拍変動の低かった人たちは、標準-優の変動幅へと改善された。

といった感じ。

ちなみに、心拍変動とは、ストレスへの耐性を意味します。心拍変動の低い人たちには、ストレスに弱いという特徴があり、MAPトレーニングで心拍変動が改善したということは、ストレスに強いメンタルが作られたことを意味します。私がよくストレス研究で目にするのは、介入によって主観的なストレスが減ったというもの。この研究では、心拍変動という明確な指標を用いてストレスレベルをチェックしているので、確かに効果があったということがいえるでしょう。

4.MAPの効果その2

2015年に行われた実験(BL Alderman,2016)でも、MAPトレーニングがうつや不安に効果があることを示しています。どんな実験かというと、

  • 実験の参加者は69人。その内52人がMAPトレーニングを行った。
  • 52人中22人がうつの症状が見られ、30人は健康な人たち。
  • 実験の結果、うつの人と健康な人共にうつの症状や反芻思考が減少。更に週の活動量が増えた。

こんな感じ。

ちなみに、反芻思考とは、うつの人や不安を感じやすい人に共通する思考パターンのことです。何度も同じことを考えたり、過去に起きたこと出来事が、繰り返し頭の中に浮かんできたりします。うつに悩まされれる人は、反芻思考が主な原因だといわれています。

ということで、今回の結果から分かる通り、MAPトレーニングは根本的なうつの原因にも効果があるのです。

 

今回の実験から研究者曰く、

たった8週間のトレーニング後、うつの症状が約40%低下したことから、MAPの効果は明白である。

とのこと。

メンタルが強い人と弱い人のどちらにも効果的なのがMAPトレーニングの特徴。トレーニング自体は1時間かかりますが、たった週に2回行うだけでいいので、心理的な負担は少ないはずです。合間を見つけてやってみることをオススメします。 

5.まとめ

MAPトレーニングは30分の瞑想と30分の運動を組み合わせた、メンタルを改善する方法です。瞑想と運動は、脳の神経細胞を増やし、維持する働きがあります。MAPトレーニングを行うと、神経細胞が増えるのでメンタルが安定するのです。

ラトガース大学が行った2つの実験では被験者らの神経細胞は増え、うつの症状や不安、心拍変動、反芻思考などの改善が見られました。最新の研究では、うつの症状が40%改善しています。メンタルを強くしたいという方に、MAPはオススメです。