心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識が得られるでしょう。

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SNSで楽しくお喋りしてても孤独感は癒えないという研究結果

social-isolation-SNS

American Journal of Health Promotionに掲載された最近の論文(1)では、SNSで人と楽しくお喋りしても、孤独感は変化しないことが研究結果として示されました。

SNS上ではなく、リアルな世界で人と関わらないと、孤独感は癒えないかもしれません。

 

 

SNSでのポジティブな交流は孤独に効果なし

論文では、ピッツバーグ大学らが行った研究結果が示されています。

その結果が次の通りです。

恋人の有無、性別、家族と住んでいるかなどに関係なく、

  • SNS上でポジティブな体験が10%増えても、孤独感は3%しか減らなかった。そしてその3%は統計的に有意でなかった
  • SNS上でネガティブな体験が10%増えると、孤独感は13%上がった。

つまり、SNSを利用していても孤独感は減らないどころか、ネガティブなことがきっかけで、より孤独になるかもしれないということです。

 

この研究結果は、1178人の大学生を対象とした調査で分かったことです。大学生らは、次の質問に答えました。

  • SNSでポジティブ・ネガティブを何パーセントくらい体験しているか?
  • 孤独感(人が遠くに感じられる、仲間はずれの感覚、自分のことを誰も知らないという感覚、孤立感)

これらの調査結果をまとめ、分析したところ、SNSが孤独と関係していたことが明らかとなったのです。

ただ、ネガティブな体験が孤独を導いたのか、それとも孤独な人がSNSでネガティブな体験をしたのかといった、因果関係については明らかにされていません

いずれにせよ、SNSの利用時間を少なくすれば孤独は癒えます。

または、著者は、次のことをいっています。

コミュニケーションや知識の移転、現在の繋がりを維持すること、親睦を深めるといったソーシャルメディアの効果的な使い方は、孤独感を低下させられる可能性があり、個人の役に立つだろう。

今ある友人との関係を充実させるために、SNSを利用するのが、孤独にとって最も良い方法かもしれませんね。

 

孤独感を癒すなら、認知行動療法がベスト

SNSでは、孤独感を癒せません。

今、孤独に悩んでいるという人は、代わりに認知行動療法を試して見ましょう。2011年のメタ分析(2)によれば、孤独の治療として有効なのは社会的認知を変えることだという結果が出ています。それも、次の3つよりも効果的だそうです。

  1. 社交術を身につける
  2. ソーシャルサポートの向上
  3. 人との関わりを増やす

そもそも「人付き合いが嫌」というような思い込みのある状態で人と関わっても、コミュニケーションから喜びは感じられません。反対に、人付き合いが余計に嫌いになることがあります。なので、まずは認知を変えることが有効なのです。

そこで認知行動療法が役立ちます。

 

ざっくりと、認知行動療法がどんなものかを紹介すると、自分の偏った考え方や思い込みに気づき、それらを矯正していく方法です。

例えば、孤独な人には、こんな思い込みがあります。

  • 人と関わっても、楽しくない
  • どうせ自分は、人から好かれないんだ

認知行動療法では、様々なテクニックを使って、これらの思い込みが事実とは違うことを確認していきます。

よく使われる方法は、ソクラテス的質問法です。次のことを自分に問います。

  •  人と関わっても楽しくないを支持する証拠は何か?
  • 反証できる証拠は何か?
  • 人と関わって楽しくないことで起こりうる最悪な結果は何か?
  • 最高の結果は何か?
  • 現実的な結果は何か?

こうやって思い込みが事実であるかを評価するのです。そして実際に行動しながら、思い込みを矯正していきます。

 

今回お伝えする認知行動療法は、ここまでですが、孤独を感じたくないという方は、こちらの本がオススメです。

4800円以上の高い本ですが、値打ち分以上の価値はあるでしょう。認知行動療法はこれ一冊で十分です。

一見、分厚くてむずかしそうな印象を抱きますが、中身は事例が豊富で初学者でも分かりやすい内容となっております。セルフヘルプとしても使いやすいので、下手な本を買うよりも有益です。自分のメンタルへの投資だと考えていただければと思います。

 

まとめ

SNSで人と楽しくお喋りをしても、ほんの少し気がまぎれる程度の効果しかありません。それよりも、ネガティブな体験のせいで、孤独感が増える恐れがあります。

すでに孤独感のある人は、認知行動療法で対策をするのがベストです。