心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識が得られるでしょう。

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あの写真を見せたら「人を助けたい」気持ちが強まったという研究

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心理学では、過去にこんな面白い研究が行われました。

人間の目の写真を見せただけで、寄付金額が上がった。ゴールテープを切りながら優勝を喜ぶマラソンランナーの写真を見せたら、オペレーターの生産性が上がり、業績が60パーセントも上がった。

これらの研究から、私たちの心や行動が身近なものに影響されていることがわかります。

そして今回紹介する心理学も、ちょっとした介入で人の心が変わるというものです。ある写真を見せただけで「人を助けたい」という気持ちが強まります。

果たして、どんな写真なのでしょうか?

 

ある写真で利他心がアップ

今回は、2018年に「forntiers in psychology」に掲載された論文(1)から新しい研究をお伝えしていきます。

 

ホープ大学らの研究チームは、246名の被験者らを集めてある実験を行いました。

集まった半分の被験者らに家のシーンを4つ見せ、そこにどんな物があるか尋ねたそうです。たとえば、机やベット等が写っているので「机がある」と答えさせました。

そしてもう半分の被験者らには、ちょっと変わった写真を見せています。家のシーンであることに変わりはないのですが、机やベットの一部にスパイダーマンなどのヒーローのロゴやイメージが貼られていたのです。

ヒーロの写真を見るか、それともただの家具を見るかで被験者の利他心が変化するのか実験したということです。

 

さて、被験者らに写真を見せたのち、助けを必要としている人のストーリを読ませると、彼らの利他心に差が出ました。

ヒーロの写真を見た人たちの方が、ただの家具を見た人たちよりも「人助けをしたい」という気持ちが強くなったのです。

つまり、ヒーローの姿を見ると、私たちの心の中にもヒーロー精神が芽生えるということです。

このように、最初の刺激が後の行動に影響を与えることを心理学では「プライミング効果」と呼びます。今回であれば、「ヒーロー」という刺激が後の「人助け」を誘発したということ。私たちは、無意識の内に、周りの環境に影響を受けているのです。

 

 

続く、ホープ大学らのもう1つの実験でも、ヒーローの写真で利他心がアップすることが分かっています。

今度は小さなラボに123名の被験者を招待して実験を行ったそうです。ラボには、1つ仕掛けがしてありました。半分の被験者が訪れたときは、壁に自転車の写真を貼り、もう半分の被験者のときには、スーパーマンの写真を貼ったのです。

写真が貼ってあることを意識させるため、実験者が用意した紙に「部屋を観察して何があるか」を被験者らに書かせました。そして、簡単な質問(自分が利他的かどうか)もしたそうです。

実験はこれで終了なのですが、被験者らはこんなお願い事を実験者からされます。

「もしよければ、追加で20分の研究に付き合っていただけませんか?助けていただけるなら、すごく助かります。」

すると、ラボにスーパーマンの写真が貼られているか、自転車が貼られているかで、助けようとする人の数に差が出ました。

スーパーマンの写真が貼られていたとき、被験者らは積極的に実験者を手伝ったのです。

彼らは、もともとの利他心に関係なく、介入により利他的になったのでヒーロー写真の効果の強さが伺えます。

今後、この研究を活用して、人からの助けを得るためにヒーローを利用する企業が増えてくるかもしれませんね。

 

まとめ

ホープ大学らの研究では、2つの実験結果から、ヒーローの写真を人に見せると利他的な行動が促されることを明かしました。

もしも、人に優しくなりたいと思っている方がいたら、部屋中にヒーローのポスターを貼ってみるのもありでしょう。ボランティア団体は、オリジナルのヒーローのロゴを作れば、もっと人からの協力が得られることもあるかもしれません。

何かしらのメリットはありそうなので、とりあえず手元にヒーロー関するグッズを置いてみてはいかがですか?