心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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なぜ不安を感じやすい人ほど創造性が高いのか?

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「不安なんて、何もいいことない」と考えて、不安の強みを知らない人はいませんか?

不安を感じやすい人は無意識のうちに未来のことをあれこれと考えてしまい、ネガティヴになってしまうという特徴があります。一見良くない特徴に思えますが、実はそれって、脳がクリエイティブになっている証でもあるんです。不安を感じれば感じるほど、あなたの脳は創造性を発揮できるかもしれません。

これから科学的根拠に基づき、「なぜ不安が創造性を高めるのか?」についてお伝えしていきます。

 

 

不安になるとデフォルトモードネットワークが活性化する

クリエイティブな思考と関わりのある脳機能のことを、デフォルトモードネットワーク(以下DMNと表現)といいます。この機能が活性化すると、人はアイデアを生み出しやすくなります。いつ活性化するのかというと、ぼーっとしているときやリラックスしている時です

DMNは目の前のことに集中できていない時、つまり注意が散漫になっている状態でも活性化すると言われています。

人が不安を感じている時って、現実のことよりも未来のことを考えてしまいますよね。この様に、注意が現在からそれて、今起きていないことに注目してしまう状態のとき、DMNは活性化するのです。

ということで、不安な気持ちになるとDMNが活性化しクリエイティブになる、これを覚えておくと良いでしょう。

 

日本の研究からDMNと創造性の関係を知る

なぜDMNが活性化するとクリエイティブになれるのか、日本の研究(1)からお伝えしていきます。

東北大学の研究では、DMNと創造性が関係していることを明かしたようです。この研究は63人の大学生を対象に行われたもので、こんな感じの実験デザインとなっています。

  • fMRIで脳の活動を調べる
  • n-backタスクでワーキングメモリーを低下させる
  • 拡散的思考(クリエイティブな思考)のテストを行い、ワーキングメモリ-が低下した人とそうでない人との違いを分析

ワーキングメモリーとは、一時的に記憶を保存することの出来る脳の機能のことです。例えば「14×15」をしなさいと言われた時に、頭の中で筆算を思い浮かべて「4×5=20、1×5=5、4×1=4、1×1=1全部足して210」の様に計算できるのがワーキングメモリーです。この機能が低下すると、集中力が減るといわれています。

被験者らには、n-backタスクをさせることでワーキングメモリーの能力を低下させ、作業に集中できないようにしたとのこと。そこで、集中力が失われた人と、ある人で創造性に違いが出るか見ていったんですね。

さて結果は、

  • DMNの減少と創造性との間にネガティブな相関があった

といった感じに。つまり、集中力の違いは関係なく、DMNが活性化している人ほど創造性が高かったということになります。

不安を感じやすい人ほどDMNは活性化しやすいので、彼らは創造性が高い傾向にあると言えるでしょう。

 

まとめ

不安を感じやすい人はDMNが活性化しやすく、創造性が高い傾向にあります。将来のことをぐるぐると考えてしまっている時、DMNは活性化し、脳がクリエイティブになっているのです。

もしみなさんが不安を感じた時には、『私は今クリエイティブになっているんだ』と考えてみて下さい。きっと、心が軽くなることでしょう。