ポッドキャストのように音声を聴きながら学習するのと、テキストを読んで学習するのとでは、どちらが記憶に定着しやすいのでしょうか?
過去の研究を参照してみると、両者の差は歴然としていました。
記憶に定着するのは読む方である
ノーザン・コロラド大学とウィスコンシン大学の研究(1)では、音声を聞いて勉強すると記憶に残りづらいことが分かりました。
ポッドキャストやオーディオブックで学習するよりも、紙の本を読むほうが記憶に定着しやすいのです。
研究結果によると、ポッドキャストとテキストでの記憶定着の差は歴然としています。
- ポッドキャストを聴いた人の記憶テストでの正答率59%
- テキストを読んだ人 " 正答率81%
この結果は、48人の学生を対象とした実験によって示されたものです。
学生らは2つのグループに分かれて、約22分間同じ教材を学習しました。
- ポッドキャストを聴く
- テキストを読む
2日後、彼らが10個の問題を解くと、ポッドキャストグループの方が低い点数を取ったのです。
研究者曰く、
ポッドキャストグループの学生らは、クイズの結果が悪く 、次のような報告をした。
知識不足、理解が足らなかった、教材を難しいと感じた、テキストで学習した学生よりも学べなかった。
とのこと。
学びづらいという点で、ポッドキャストグループは点数が低かったのかもしれません。
著者はさらに続けます。
興味深いことに、クイズ後に彼らの結果を知らせなかったとしても、ポッドキャストグループはポッドキャストが学習に効果的なツールでないことを認識していた。
自分が何点なのか知らされなくても、直感的に「ポッドキャストでは頭に入らない」と感じていたのです。
さらに研究では、追加の調査で学生らに「どうすればポッドキャストが効果的な学習ツールとなるか?」を議論させたところ、様々な意見が飛び交ったそうです。
- グラフやチャートなどの視覚的なサポートを充実させる
- どこがポイントが分かりづらい
- レビューがしづらい
音声を聴いてでの学習には課題が多そうです。記憶に定着させたいときは、オーディオではなく、本を買うことが望ましいでしょう。