血液型で性格が分かるなど、嘘の情報なのに信じ込んでしまう人がいます。
「AB型は変わってる」とか「A型は几帳面」とか。
なぜ何の根拠もない話なのに信じるのでしょうか?
どうすれば本当の話の方を信じてくれるのでしょうか?
プリストン大学らの研究からそのヒントを得ていきましょう。
なぜ嘘の話でも信じちゃうの?
嘘でも信じられている話にはある特徴があります。
それは接触回数が多いところです。
何回も何回も同じ話を聞くと、本当に思えてくるという心理効果が働きます。
例えば、血液型で性格が分かるという話にも当てはまるでしょう。ネットで「血液型と性格」と検索すれば、「A型はこういう性格」って出てきますよね。この話は全くの嘘なのですが、未だに多くの人が信じています。簡単に、何度も目にされるからこそ真実だと思い込んでしまうのです。
心理学では、このような心理効果のことをリハーサル効果と検索誘導性忘却と呼んでいます。
リハーサル効果とは、同じ情報に触れるほど、信頼しやすくなるという効果。検索誘導性忘却とは、一旦信じたら、他の考えを思い出しにくくなるという効果。
この2つの効果が働くと、人は自分の考えが正しいと思い込み、他の考えを無視してしまうようになってしまうのです。
しかし、逆にこの心理効果を使えば、相手の考えを変えさせることだって出来るでしょう。プリストン大学らの研究からそのことについて詳しく見ていきます。
相手に話を信じてもらう方法
プリストン大学らの研究(1)では、どうすれば相手に話を信じさせられるのかについて実験を行っています。
研究の対象となったのは、146名の被験者ら。まず、彼らは次のような指示を与えています。
- 4つのカテゴリー(栄養、アレルギー、視覚、健康)に分けられた24個の文章を読む
- 18個は真実の情報、残り6つは一般的に信じられやすい嘘の情報
- 各文章の信頼度や科学的根拠を1-7点で得点する
文章の中身は、「子どもは、薄明かりで本を読むと目が傷つく」というようなものだったそう。一見、真実か嘘か分からないですよね。ちなみにこれは嘘の文章です。
次にオーディオを聴くよう指示されました。内容は、24個の内2つの文章が言及されるとのこと。ここで言及されるかされないかで、文章への信頼度が変わるのか見たんだとか。
実験の最後には、最初に読んだ文章を思い出せるかと、どんな風に信頼度が変わったのか見ています。
で結果はというと、
- オーディオで言及された文章は、時間が経っても思い出されやすく、その内容を信じやすかった。ただし、最初に信頼できないと評価された場合、言及されても信じなかった
- 言及されなかった文章は、思い出されにくくなった。中でも、ほどほどに信じていた文章が最も思い出されにくかった
- 言及された文章はより信頼度が増し、されなかった文章はより信頼度が減った
といった感じに。
つまり、同じ話を2度聞くとリハーサル効果と検索誘導性忘却が働いて、信頼度が増すということ。
もしも、相手に話を信じさせたいのであれば、何度も何度も同じ情報を伝えるのが効果的ということになります。それと否定したい情報にはなるべく触れないようにもしましょう。
ただ、ひとつ問題もあります。相手が物凄くその考え方に固執している場合と、全くその情報を信用していない場合では、効果が薄いという点です。
そんな時には、別の説得のテクニックを使いましょう。次のような本が説得力を上げる助けとなってくれるはずです。
言葉1つで人から信用されやすくなり、次々とお願いごとを聞いてくれるようになる本。「〜買って、〜してほしい」その願いが叶いやすくなるでしょう。どれを読もうか悩んでいる人は、青い本から読むのがオススメです。
まとめ
友人と知識を共有する時、上司を説得したい時、情報はなるべく繰り返して伝えましょう。人は、情報に触れれば触れるほど信じやすくなり、他の考え方を無視するようになります。
是非、このテクニックを使ってみてください。