心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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青ペンで勉強するのは本当に効果があるの?心理学的な答えとは

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「青ペンで勉強すると、集中力が上る」と、聞いたことはありませんか?実際に、青ペンを使った勉強で成績が上がったと思い込んでいる方もいるでしょう。しかし現在の心理学研究では、青が成績を上げるかどうか科学的には分かっていないのです。では一体どの色で勉強するとよいのでしょうか。

 

 

1.青色が注目されるきっかけとなった研究とは

2009年にブリティッシュコロンビア大学が行った実験(Mehta et al,2009)では、青と赤色が勉強に効果があることを明らかにしています

この実験の参加人数は600人で、被験者のコンピューターの画面に絵や単語を表示し、背景色を赤か青、その他の色にして映し出したそう。で、背景色の違いによって、認知能力に違いが出るかを調べていったんですね。

 

さて、結果どうなったかというと、背景が赤だった被験者は、

  • 細部を思い出すタスクで成績が向上
  • 注意直が必要なタスクで成績が向上

となったようです。

そして青だった被験者は、

  • クリエイティブなタスクで成績が向上した

とのことで、つまり、赤色は、集中を必要とする勉強に効果があり、青色は想像力を必要とする勉強で効果があるという結果になりました。これだけ聞くと、なんだか青色や赤色に軍配が上がりそうな気がしてきますが、私がさらに文献を調べたところ、そんなことはありませんでした。次いで見ていきましょう。

 

2.青色の効果を否定する研究が見つかった

先ほどの実験結果を見ると、「青色は効果あるんだ」と思われるかと思いますが、実は新たに出た論文では、この効果が否定されています(KM Steele,2014)。こちらの論文では、先ほどの験人数を3倍に増やして同様の実験を行ったところ、何の効果も現れなかったみたいです

 

これ以外にも、数々の海外の論文では、色が勉強に与えるポジティブな影響について明らかにしていません。青色は使っても使わなくても勉強に影響しないということになりますね。私はずっと青ペンで勉強していたので、なんだかショックです。

一方で、ある色が勉強にネガティブな影響を与えることは分かっているようです。 続けて見てみましょう。

3.赤色が勉強に与える影響

アメリカとドイツの研究グループが行った実験では、赤色がテストの成績を落とすことを明らかにしたようです(AJ Elliot,2007)

実験の参加者はアメリカ人の学生71人で、無作為に3つのグループに分けて問題を解かせたそう。

  • 赤のグループ : 受験番号の数字を赤色にする。
  • 緑のグループ : 受験番号の数を緑色にする。
  • 黒のグループ : 受験番号の数字を黒色にする。

解かせる問題はアナグラムで、全員同じ問題とのこと。アナグラムとは例えば、「counter」という単語を「recount」と別の単語に置き換えるものです。

さて、実験の結果はというと、緑や黒のグループよりも赤のグループの方が成績を著しく下げたとのこと。

ちなみに、なぜ成績が下がったのかと言うと、赤がネガティブなものをイメージさせるからだそう。アメリカでは赤がネガティブなものと結びついています。赤を見たことでモチベーションが低下し、テストの成績が下がったのです。

が、一方で赤にポジティブなイメージを持つ国もあります。もしかしたら、その国であれば反対に成績が上るということもありえそうな気がします。

ということで、別の論文では、赤に好ましいイメージを持つ中国で、実験を行ったようです。しかしこの実験でもアメリカ同様、テストの成績が下がったとのこと(J shi,2015)。つまり、赤は潜在的に、頭を使う課題にネガティブな働きをするということになります。 

 

4.まとめ:結局どの色を使えばいいの?

青ペンは他の色と比べて、効果に差はないようです。赤ペンでは、テストの成績が落ちてしまいます。では一体どの色を使えば良いのでしょうか?

海外の実験では青や緑、オレンジなど様々な色を使って、認知能力に効果があるか調べています。しかしどの色でも効果に差は出ていないようです。

ということで、赤以外の好きな色を使うことをオススメします。自分の好きな色で、モチベーションを上げると良いでしょう。もちろん、青が好きな人は青で勉強すると良いと思います。