心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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歯磨き粉6本で交渉の成功率が19.7%高くなったらしい

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ただお菓子を渡りしたり飲み物を渡したりするだけで、その後の交渉事が有利に運べるという心理学があります。

その名も、返報性の原理といいます。返報性の原理とは、贈り物をもらったときに、「お返ししなきゃ」という心理が働く現象のこと。やり手のビジネスマンは、この心理を利用して、上手く客に商品を売るなどしています。

しかも新しい研究では、ちょっとした贈り物でも交渉を成功させやすくすることを明かしたそうです。

今回は、小さな贈り物の効果について見ていきましょう。

 

小さな贈り物で交渉が19.7%成功しやすくなる

チューリッヒ大学らの研究(1)では、小さな贈り物が交渉を上手くいきやすくすることを明かしました。

実験が行われた場所は、ドラックストアと薬局。実験に参加することになったベテラン営業マンが、それぞれのお店の社員または店長とビジネスの交渉を行ったそうです。交渉は、新しい商品を売り込みみたいなもの。

実験デザインはこんな感じになっています。

  • 交渉は、ランダムに贈り物を渡すシチュエーションと渡さないシチュエーションに分ける
  • 2つの設定で交渉の成果に差が出るのか見た

贈り物の中身は、計約110円相当の歯磨き粉のチューブ6個だったとのこと。特に嬉しいとはいえないものです。

実験では、追加の情報として、社員と店長のどちらと交渉したか、交渉にかかった時間なども分析の対象にしています。

 

最終的に、実験では220の交渉データが集まり、約半分が「贈り物を渡す交渉」、残りが「渡さない交渉」だったそうです。そのデータを分析した結果はというと、

  • 交渉の時に贈り物をした場合、しなかった場合よりも平均で2倍の収益を手に入れた
  • さらに店長に贈り物を渡して交渉した場合は、収益が約6,993円から31,070円多く
  • 交渉の成功率が平均より19.7%ポイント高かった

といった感じに。成功率は20%近く高くなり、110円の投資で最高3万円のリターンですから、かなり期待がもてる結果となりました。明らかに、小さな贈り物をした方が交渉が上手くいくことが分かりますよね。

ちなみに、交渉相手が社員だった場合、贈り物のあるなしは成果に関係なかった様子。社員はビジネスの権限がないため、交渉をしても意味がなかったとのことです。

人にお願い事をする時は、飲み物1本渡すなど、小さなものをプレゼントしてみるといいかもしれません。

 

初対面では贈り物をしてはいけないらしい

研究では、交渉相手が初対面だった場合、贈り物を渡すと逆効果になるという結果も出ています。

初めて会う人にも関わらず、「これ、海外のお土産です。良かったらもらってください。」なんて言ったら、不審がられてしまうのだそう。

論文の著者曰く、

販売員と顧客が互いのことを知っているとき、贈り物は過去の良好な関係に対する感謝や友好の証となりうる。一方で、見込み客では、贈り物をセールスのプッシュまたは賄賂だと疑ったり考えたりするかもしれない。

とのこと。初対面では、相手に「何か私に買わせたいから、物を渡しているのかも?」と考えられてしまうので気をつけましょう。

確かに、いきなりプレゼントを渡されても「なんで私に?」って不審がるような気はしますよね。特に、ビジネスの場では、初対面のときに贈り物を渡すのはやめた方が良さそうです。

 

まとめ

人に贈り物をあげると、交渉が有利に進みます。旅行のお土産でもお菓子でも、何でもあげてみてください。きっと大きなリターンが得られるはずです。

ただし、初対面の場合はやめておきましょう。打算的な人かもと疑われてしまいます。

贈り物は、お互いのことを知ってから渡すと大きな成果が得られるかもしれませんよ。