月に1回、もしくは2,3ヶ月に1回、ちょっとした活動をするだけでうつの進行リスクを減らせます。
頻繁に友人と会ってお喋りをしたり、スポーツで仲間と汗を流したり、といった手間のかかる活動をする必要はありません。
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究から、その活動について見ていきましょう。
この活動をしていると、うつのリスクが30%以上低い
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究(1)では、文化的な活動でうつの進行リスクが大きく減ることが分かりました。
含まれる活動は、
- 映画を見る
- 劇場に行く
- ミュージアムに行く
- オペラを鑑賞する
などです。
研究結果によると、2,3ヶ月に一回これらの活動をしていた人は、うつの進行リスクが32%低かったとのことです。月に1回以上の人はさらに高く、うつの進行リスクは48%低いとの結果が出ています。
今回の研究結果は、50歳以上の男女2148人を10年間調査した結果得られたものです。調査内容には、
- うつ尺度
- 1年間の文化的な活動の頻度
- デモグラフィック変数(性別や労働時間、趣味の有無など)
- 健康状態
- 社会的な活動の頻度
が含まれていました。
調査に参加した人たちは、年収の違いや健康の状態に関係なく、文化的な活動の頻度によってうつの進行リスクが低かったそうです。
著者は、文化的活動のメリットについて次のように主張しています。
文化的な活動には、うつの発症リスクを減らす多くの要因が組み合わされており、それが予防となり得ることを示している。
例えば、文化的な活動に含まれる社会的な交流(友人を訪れることや他の出席者やスタッフとの交流)は、社会的なサポートの資源やストレス緩和となりうる。それにより、抑うつ症状の発症および進行を減らせるのだ。
著者はさらに続けます。
さらに、音楽のように感情が反応する文化的な活動は、ポジティブな感情や報酬の処理に欠かせない脳の領域に影響を与えることが分かっている。
認知や知覚を必要とする文化的な活動もまた、それ自体がうつの低さと関係している。
自宅で映画はいいの?と疑問に思われる方もいると思います。著者曰く、認知や知覚を必要とする活動でも効果ありなそうなので、休日に自宅で映画を見るのも良さそうです。
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