心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識が得られるでしょう。

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【耳の聞こえづらさをチェック】意外な心の病のリスクが1.44倍に

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友だちと集まって喋っているとき、1人の人の声が周りの皆には聞こえているのに私だけ聞こえづらいということはありませんか?

何度も会話中に「ん?なんていった?」と聞き返してしまうことはありませんか?

思い当たる人は要注意です。

実は、耳の聞こえづらさとメンタルには意外な関係があります。もしかすると、将来あの心の病気が発症しやすくなるかもしれません。

 

 

耳が聞こえづらいとこんなメンタルに

耳の聞こえづらさとメンタルの関係を研究(1)したのが、NewYork-プレスビティリアン/コロンビア・ユニバーシティ・アーヴィング・メディカル・センターです。

彼らは、50代以上の5328人の耳の聞こえづらさとうつの発症データを集めて分析したところ、意外な傾向が明らかとなったそうです。

こちらがその結果となります。

  • 耳の聞こえが20dB悪化するにつれて、うつの発症リスクが1.44倍に上がった
  • 耳の悪くない人と比べて、32.5dB悪化している人はうつのリスクが1.81倍、47.5dBでは2.38倍、80dBでは4.3倍だった

つまり、耳が聞こえづらい人ほどうつの発症リスクが高くなるということです。dBが何を表すのかは後でお伝えしますね。

しかしなぜ、うつのリスクが上がるのでしょうか?

研究者は次のようにいいます。

耳の聞こえづらさとうつの関係は、社会との関わりが媒介しているのかもしれない。耳の聞こえづらさが孤立と孤独を導き、その結果、うつが発症するのだろう。

孤独が鍵ということですね。何度も人との会話中に「ん?」と繰り返すことで、話すのが嫌になってしまうのかもしれません。聞き返しすぎるのは失礼だと思いこんでしまう人もいるでしょう。その結果、人との関わりが苦手になり、孤独になるのかも。

とはいえ、もちろん耳の改善次第で発症リスクを減らすことも孤独を減らすこともできます。

研究者曰く、

耳の聞こえの治療によって孤独が改善されることが分かっているから、うつの症状も改善できるかもしれない。

とのこと。

過去に別の大学が行った研究(2)では、人口内耳(聴覚を補助する器具)でうつが大きく改善されています。

補聴器または、人口内耳でなんとかなりそうですね。

 

耳の聞こえづらさをチェック

さて、先ほどの研究結果を改めてまとめると、

  • 20db聞こえなくなるほど、うつのリスクが上がる
  • 32.5dBで1.81倍
  • 47.5dBで2.38倍
  • 80dBで4.30倍

でした。

このdBが何を表すのか見ていきましょう。もしも自分に当てはまると思ったら、早急に補聴器での対策が必要かもしれません。

  • 20dB:小さな音、木の葉のすれあう音
  • 30~40dB:ささやき声
  • 40~60dB:中程度の音、普通の会話、静かな部屋の音
  • 70~80dB:高程度の音、地下鉄の車内、掃除機の音

これらの音が聞こえなければ、うつの発症リスクが上がる可能性があります。どうでしたか?

もし大丈夫という人でも、友だちによく聞き返してくる人がいたら、上のdBをチェックしてみるように勧めてあげると良いと思います。