好きな人を目の前にすると、男性も女性も声のトーンが変わることが分かりました。
異性からの脈ありサインを見抜くなら、声が手がかりとなるかもしれません。
相手が自分のことを好きか自信がない、そんな時に参考になります。
初対面の人が自分に気があるのか知りたいときにも使えるでしょう。
声のトーンの変化
Proceedings of the Royal Society B誌に掲載された論文(1)によると、男性も女性も気になる異性の前では、声が低くなることが分かりました。ただし、女性の声は少し複雑になっています。
論文の著者は、次のように主張しています。
女性は、スピードデートで潜在的なデート相手として選んだ男性には、高いピッチで抑揚をつけて話していた。しかしながら、その男性が全体的に好ましさが低い時(50%以下の他の女性から好ましいと評価された)にのみ、その傾向は表れた。
女性が競争率の低い男性を「なくはない」と評価すると、高い声で話すのだそうです。
逆にモテる男性に「あり」と評価した時には、低い声で話します。
他の多くの女性から望まれ、好ましいと評価された男性に対しては、低い声で話していた。
相手の競争率の激しさによって、女性は声のトーンを変えてアプローチを仕掛けるのです。
モテない自覚のある男性は、女性が高い声で話してくるかで脈ありサインを見抜き、モテの自覚のある男性は低い声で話してくるかで見抜けるかもしれませんね。
では、男性が女性を「あり」と評価した時にはどのような声で話しかけるのでしょうか?
著者はいいます。
男性は、好ましいと思う女性とのデートでピッチを低くした。 しかし、デート相手の魅力が増すに連れて、男性の声のピッチはさらに低くなった。
相手に気があるほど、声を低くするのだそうです。
男女ともどのくらい低くするのかと言うと、著者曰く「男性も女性も20Hz以上」とのこと。半音以上下がります。結構低くなるので、簡単に判別できそうですよね。
さて、今回の研究結果は、サセックス大学らの実験で示されたものです。実験では、30人の独身の男女を集め、スピードデートを行ったとのこと。その際に、ボイスレコーダーをつけたのだそうです。
数分間の会話を終えると、「デートの相手としてありかなしか」を紙にマークし、席を移動して次の異性との会話を始めました。
全ての会話が終了した後、参加者たちは恋愛の相手として好ましい相手を選択したそうです。
研究者が参加者たちの音声データを集めると、男女とも気になる異性との会話で声が変化していたことが分かりました。
なぜ、男女とも声のトーンが変化したのでしょうか?
男性の低い声には、女性を魅了させるいくつかの特徴が表れます。例えば、自信の高さや男らしさです。男性はテストステロンがある人ほど声が低くなるので、低い声で話して男としての質の高さをアピールするのです。
女性の高い声は、女らしさや若さを感じさせます。低い声では、セクシーさのアピールとなります。男性を魅了する時には低い声で、気に入ってもらいたい時には高い声で自分をアピールするのです。
意識的か無意識的なのかは分かりませんが、声のトーンを変えることで、自分の魅力を相手に伝えようとするということです。
高校生以上は声を手掛かりにしよう
さらに研究では、どの年代でも気になる異性の前では声が変化することを明かしています。実験参加者の年齢は20~40代で、声の変化に年代での差はなかったそうです。
思春期前だと声変わりのこともあるので何ともいえないのですが、高校生以上なら、声で相手の脈ありサインを見抜けるかもしれません。