2016年4月14日、熊本地震の直後、1つのツイートが話題になりました。
「地震のせいでうちの近くの動物園からライオン放たれたんだが」という投稿が画像付きでツイッターにアップされ、1万以上もリツイートされたのです。
しかし、後からこの内容がデマだったことが判明。多くの人が騙されたようです。
なぜ、このように嘘の情報を信じてしまう人がいるのでしょうか?
新しい研究では、フェイクニュースに騙されやすい人の特徴を調べています。
その研究結果が Jornal of Personality に掲載されました。
フェイクニュースに騙されやすい人の特徴
レジャイナ大学らの研究では、1606人を対象とした3つの実験によってフェイクニュースに騙されやすい人の特徴を明かしました。
実験では、いくつかのフェイクニュースや本当のニュースのタイトルを被験者に読ませ、正しい情報かどうかを判断してもらったそうです。
そしてデタラメな文章に対する印象や自分の知識に自信があるかもテストしたとのこと。
デタラメな文章とは、このような文章のことです。「隠された意味は無類の抽象的美へ変化する」意味のない文章ですが、これを深い意味があると思う人が一定数いるようです。
さて、どんな人がフェイクニュースに騙されたのかを分析すると、面白い結果が表れました。
デタラメな文章を深いと思っていた人たちは、フェイクニュースに騙されやすかったそうです。さらに、実在しない情報のタイトルに対して、「知っている情報だ」と答えた人たちも騙される傾向にありました。
また、正しくフェイクニュースが嘘の情報であると判断できた人の特徴も明らかになっています。それは、こんな問題を解ける人たちでした。
「湖の一帯に睡蓮の花が咲いている。その一帯のサイズは、1日で2倍になる。48日で湖全体が埋め尽くされるとすると、何日で湖の半分が埋め尽くされるでしょう?」問題の答えは最後にお伝えします。
このような問題を解けた分析的思考の持ち主は、情報の真偽を正しく判別できたのです。
今回の結果から研究者は、分析的な思考なしに情報を受け入れてしまうことが、フェイクニュースに騙される要因になっているのではないかと推測しています。
日頃から熟考することが大切そうです。
最後に、睡蓮の花の問題の答えをお伝えします。
答えは、「47日」です。
直感的に答えた人は、48割る2で24という数値を出したかもしれません。そのような方は、すぐに答えを出さずに、一旦自分の考えを疑ってもう一度深く思考すると正しく答えを導けるようになるでしょう。
その習慣が身につけば、分析的思考は鍛えられていくはずです。