良い印象というのは、見た目の綺麗さだけでなく、自分のアピールの仕方にも表れます。
「あなたがどんな人間で、何を成し遂げたのか?」そのことをどう伝えるかで、あなたの印象は変わるのです。
よくありがちな間違いは、自分の「才能」を強調して話すことです。
「俺はテスト勉強したことないけど、上位キープしてるぜ」このような、あたかも自分が頭の良い人間だと主張する話し方では、良い印象を与えれません。
では、どうやって話したらいいのでしょうか?
ロンドン大学らの研究から、そのヒントをお伝えします。
私たちは努力を過小評価している
相手に良い印象を与えるなら、もっと努力した体験を話すべきです。人は、努力の話を好みます。
「そんなの当たり前じゃん」と思われるかもしれませんが、大事なのは、「もっと」というところ。つまり、私たちが想像するよりも「もっと多く」努力の話をした方がいいということです。
ロンドン大学の研究では、3つの実験を行い、そのことを明らかにしました。
実験で分かったこと
ロンドン大学は、ジョブインタビューとデートの計3つの実験(1)を行いました。
対象となった被験者の数は、603人。実験の内容は、次のようなものでした。
- 面接官役と話し手役に分かれる
- お互いにインタビューをし合う
- 面接官は、どんな話をもっと聞きたかったか評価する
- 話し手は、面接官がどんな話を聞きたがっていたか評価する
このジョブインタビューを2回、それともう1つデートのシチュエーションで1回実験を行ったんですね。
その結果、話し手の方は、相手は努力の話をあまり聞きたがらないだろうと評価しました。
しかし、相手の方はというと、「もっと努力の話を聞きたい」と評価したのです。しかも驚くべきことに、努力の話を多くする人に対して、「温かい、共感できる」という印象を抱いていたそう。話し手の印象は、才能のみをアピールするよりも、ずっと良く見られていたということになります。
私たちは、苦労話や頑張った話を過小評価しがちです。が、もっともっと努力の話を人に聞かせたほうが、私たちの印象は良くなるのです。
努力を将来性とつなげる
ただ努力の話を伝えるだけでは、あなたの印象は十分に良くなったとはいえません。プラスして、将来性もアピールすると、さらにあなたの有能さや信頼性を印象付けることができるでしょう。
スタンフォードとハーバード大が明かした将来性の効果
スタンフォード大学とハーバード大学の研究(2)では、こんな実験を行っています。
被験者らは、大企業の財務部のリーダーに応募したある人を評価するように指示されました。彼は、コーネル大学で学士号を取得。経済学専攻で、平均GPAが3.82。ニューヨーク大学でMBAを取得したという超高学歴な人物です。
被験者はさらに、ランダムに、彼の実績または将来性をアピールした書類にも目を通しました。この時の、実績か将来性のどちらの書類を見るかで評価の点数に違いが出るか見たんですね。
実績の方に書いてあったのは、
- 関連業務の経験が2年、リーダーシップのテストで100点中92点
将来性の方に書いてあったのは、
- 関連業務の経験はなし、リーダーシップの将来性のテストで100点中92点
でした。
将来性は、これからリーダーとしての期待が持てるということを意味し、実績は過去の実力を示すものでした。
さて、被験者らが評価した結果は、
- 将来性をアピールした書類を見た方が、評価が高かった
ということに。
この結果からいえるのは、過去に何をしたかを主張するだけよりも、将来性もアピールしたほうが、相手からの印象が良くなるということ。
努力プラス将来性で、私たちの印象はグッと上がるのです。
まとめ
面接やデートで自分の印象を良くするなら、まずは努力をアピールすること。人は、才能のある人間よりも、必死に努力をする人間を「温かい、共感できる」と、高く評価します。
しかし、それだけではまだ足りません。さらに将来性もアピールすると、あなたの魅力はグッと高まります。将来の夢や、人生の目的など、未来のことを話しながら自分がいかに努力しているかをアピールしてみて下さい。
印象が良いと思われれば、あなたが有能で信頼できる人間だと認識されるようになるでしょう。