心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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6週間以上幸福が持続する目標の立て方

happy-goal

仕事や勉強で成果を出すためには、具体的な目標を設定する方が成功します。

しかし幸福を感じたい時には、曖昧な目標を立てないと、幸せは持続しません。「この映画を見て、鬱な気分を吹っ飛ばそう」のような限定的な目標では、少しの間しか気持ちが晴れないのです。

今回は、幸福を長く感じるための目標の立て方についてお伝えしていきます。

 

 

曖昧な目標の方が幸福を感じる

ミネソタ大学らの研究(1)では、曖昧な目標を立てた人ほど、達成した時の幸福感が持続しやすいということを明らかにしています。

研究の対象となったのは、135人の被験者。彼らを次の2つのグループに分け、音楽を使った実験で両グループの幸福度の違いを調べています。

  • 幸福になるという目標を立てるグループ
  • 興奮、元気を感じるという目標を立てるグループ

前者が曖昧な目標で、後者が具体的な目標ということになります。彼らには、共通するある音楽を聴かせ、その後、いくつかの質問を行ったそう。

例えば、

  • 現在の幸福度はどのくらいか
  • 紙に書かれた22の感情リストの中から今の気持ちに当てはまるものを選ぶ
  • 聴き終わった5分後に再び幸福度をたずねる
  • もう一度曲を聴くために何ドル払えるか聞く

こんな感じ。音楽を聴いてすぐと、少し時間が経ってからで幸福度はどう変化するのかってことを調べたんですね。

で結果はというと、

  • 聴いた直後は、グループ間で幸福度に差がなかった
  • 5分後には、「幸福になる」という目標を立てた方が幸福度が高かった
  • もう1度聴くために払っていい金額を聞かれた時、「幸福になる」グループは平均$0.72、「興奮、元気」グループは平均$0.51と答えた
  • 「幸福になる」グループは、多様な感情を報告した

とのこと。曖昧な目標を立てた方が、幸福は持続しやすく、多くの感情を体験したそうです。

細かい計画を立てがちな人は、ポジティブな感情を感じたいときには、ゆるく目標を立てた方が良さそうですね。

 

購買行動も曖昧な目標の方がよい

ミネソタ大学らは、購買行動に関しても同じような実験を行い、曖昧な目標の方が幸福が持続することを明かしたようです。

被験者数87人。彼らは2週間ごとに、1月前の大きな買い物($100以上)について説明するよう求められました。また、実験者は被験者に対し、次の内どれか1つの目標を考えながら説明するように指示しています。

  1. 幸せになるという目標
  2. 興奮や喜びが増して幸せになるという目標
  3. リラックスできるようになり幸せになるという目標

1番が先ほどと同じく曖昧な目標、2、3番が具体的な目標です。実験では、どの目標が幸福を持続させるのか見ています。

さて、結果は、

  • 最初の調査では、幸福度に違いは無かった
  • 4週目、6週目には、「幸福になる」という目標を考えた人たちの方が幸福度が高かった
  • 具体的な目標を立てた人たちは、幸福度が落ちるスピードが早かった

という感じに。音楽の実験同様に、曖昧な目標を立てた方が幸福になれるということが分かりました。買い物をしてから6週間も幸福が続いたのですから、目標の大事さというのが分かるのではないでしょうか。

 

ネガティブな体験には具体的な目標を

ここまで見てきたとおり、ポジティブな体験に対しては、曖昧な目標の方が上手くいくことが分かりました。

では、ネガティブな体験ではどうなのでしょうか?不安な出来事や怖いことの前にはどんな目標を立てるとよいのでしょう?

ミネソタ大学らの研究の著者によると、

特定のネガティブな感情を避けることで、他のネガティブな感情に注意を向けたり、くよくよ考えたりすることから気をそらせる可能性があり、よりポジティブな体験をもたらす。

とのことで、ネガティブな体験の前には、具体的に避けたい感情を明確化にすることを勧めています。

もし、不安という感情に適用するのなら、「不安によって、びくびくしないようにしよう」など、感情を細かく分解して目標を立てると良いかもしれません。

まとめ

音楽、映画、友人との遊びなど、楽しいことをする時には、単に「楽しもう」という曖昧な目標を立てると、より幸福を感じられます。逆に、「心臓バクバクで興奮しまくる」みたいな具体的な目標にしてしまえば、「興奮」以外の他のポジティブな感情を感じなくなるので注意が必要です。

ポジティブな体験の前には、「楽しむ」「幸せになる」など、曖昧な目標を心がけてみてください。