心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

20181114133451

MENU

つまらない人間から脱却するためのユーモアの磨き方

laugh-humor
ギャグ漫画を読む、お笑い芸人の動画を見る、面白い人と一緒に行動する。

これらのよくあるユーモアの磨き方は、全て肝心なところが足りていません。そもそも、面白いことに触れるだけでユーモアのある人間になれるのなら、バラエティ番組好きな人は、面白い人たちで溢れていることでしょう。

しかし、実際には、視聴者本人も面白いということは多くありません。

では、本当に効果のあるユーモアの磨き方とは何でしょうか?

今回は、科学的に認められたユーモアの磨く方法をお伝えしていきます。

 

 

科学が明かした、ユーモアがもたらすメリット2つ

根気よくユーモアを磨き続けるには、モチベーションを保つことが必要です。

なので、まずはユーモアがある人にはどんな良いことが起きるのか見ていきます。

 

男女問わず人を魅了できる

男性も女性もユーモアがあった方が、同姓からも異性からも好かれやすいです。

ニューメキシコ大学の研究(1)では、ユーモアのある人の人間関係について調べています。400人の被験者を集めて、ユーモアのある人たちの特徴を調べた結果、

  • 社会的な緊張を緩めることができる
  • 同姓のライバルより有利に立てる

ということが分かりました。

つまり、ユーモアがあると、場の緊張を和らげれたり、恋愛ではライバルよりも魅力的に見えたりするわけです。

人間関係で圧倒的な有利に立てるということですね。

他にも、男性の場合は、ユーモアが高い人ほどデートで成功しやすいことも確認されています。

 

幸福になる

人間関係は得意、異性にモテることに興味がない、という方もいるでしょう。

そんな方に朗報です。ユーモアを学ぶと、幸福感が増します

チューリッヒ大学の研究(2)では、5つのユーモア介入が幸福度を高めることを明らかにしました。

5つの介入というのは、

  1. 1日の終わりに3つ面白かった出来事を書きだす
  2. 面白い出来事が起こるたびに紙にメモする
  3. ユーモアな出来事を見つける
  4. 過去に起きた面白い体験を詳細にノートに書く
  5. 1日の中で起きたストレスな体験を思い返し、ユーモアを使った解決方法を考える

これらを、1週間に渡って被験者に試したとのことです。

その結果、どの介入も幸福度を高め、うつの症状を低下させたことが分かりました。笑いは劇薬といわれていますが、実際に実験でも効果が確認されたわけです。

 

ユーモアを磨こうとすれば、少なくとも5つの内のどれかと似たようなことをします。今ユーモアがなくても磨く練習をするだけで、幸福度が上がるということです。

 

ユーモアを磨くモチベーションを高めるために、この2つのメリットを心に留めておくと良いのではないでしょうか。

 

ユーモアのある人の特徴はこの3つ

ユーモアのある人に共通している特徴は、3つだけです。この3つを意識すれば、ユーモアのある人に近づけるでしょう。

 

性格は1つだけ

明るい性格の人、外交的な人にユーモアがあると思われがちですが、実は全く関係ありません。

科学的な調査が行われた結果、唯一ユーモアと関係していたのは、開放性のみだったのです。

開放性というのは、5つの性格のうち1つの性格のことで、好奇心や想像力、審美眼のある人を指します。新しいことにチャレンジするのが好きで、美しいことに興味があると、開放性が高いです。

 

Nusbaumらの実験(3)では、被験者に面白い漫画のキャプションを書いてもらいました。その結果、ユーモアのある回答をした人たちに共通していた性格は、開放性のみでした

お笑い芸人や面白いことを言う人たちは、皆共通して、体験談にユーモアを交えて話しますよね。彼らは、常に周りに興味を持ち好奇心を働かせているから、面白い話しができるのです。

 

様々なことに興味を持って、注意深く観察する。次々と疑問を投げかけ、学習し続ける。そういう人こそユーモアのある人なのです。

 

頭の良さ

頭がいい人もユーモアのある人の特徴です。

具体的には、拡散的思考と結晶性知能の優れた人のこと。2つは、遺伝で全て能力が決まるわけではないので、後から伸ばすことも出来ます。

 

拡散的思考とは、1つのことに複数の考えを持つ思考のこと。小説や音楽のような、答えのない活動で使われます。逆の思考は収束的思考といって、こちらは数学のような1つの答えを出す時に使われます。

ユーモアのある人は、1つのことを聞いて多くのことを考えられるということです。例えば、レンガの用途を考えてといわれれば、10個も20個もすぐに思いつくことができるでしょう。発想力が高いということもであります。

結晶性知能というのは、経験や学習から得た知能のこと。知識人ということですね。

 

Kellnerらの実験(4)では、151人の被験者を集めて、面白い漫画のキャプションを考えさせました。その結果、得点の高かった被験者の知性を調べると、拡散的思考と結晶性知能が高いことが分かったのです。

複数のことを一度に考えたり、知識が豊富だったりするのが彼らの特徴です。

知識がない、興味の幅が少ないという人はユーモアから最も遠い人だといえるでしょう。

 

ユーモアを磨く方法2つ

ユーモアを磨く方法は、2つあります。

1つは、ユーモアのある人の特徴に近づく方法。もう1つは、ユーモア自体を学ぶ方法です。

 

ユーモアのある人に近づく方法

ユーモアのある人の特徴は、開放性、拡散的思考、結晶性知能の3つが高いということでした。

少なくとも、3つが低いと、ユーモアのある人間にはなれないでしょう。なので、伸ばす方法についてお伝えします。

 

3つに共通するもので伸ばす

開放性の高い人の特徴は、ざっくりいうと、2つに分けられます。

  1. 知的な活動に取り組んでいる
  2. 空想に耽る

1番は、結晶性知能の高い人も行っていることです。2番は、拡散的思考の高い人が行っていることです。

つまり、開放性を高める努力を行えば、3つとも伸ばせるということになります。

 

知的な活動に取り組むであれば、

  • 読書
  • 語学の学習をする
  • 興味のある学問を学ぶ

等、頭を使う何かに取り組めば良いでしょう。

空想に耽るであれば、

  • 瞑想をする
  • ぼーっとする時間を多く取る
  • 絵を描く練習をする

などでいいでしょう。

自分の興味が沸きそうなことを見つけて、取り組み続けていれば、開放性は上がっていきます。

 

ユーモア自体を学ぶ

ユーモアが全く浮かばないという人は、頭の中でユーモアが何なのか理解できていないせいかもしれません

初めて自転車を乗るにしても、実際に乗ってみるまでは、ペダルの漕ぎ方や重心を安定させる方法が分かりませんよね。それと同じで、ユーモアの本質を理解できていなければ、自分で扱えるようにはならないのです。

 

具体的に何をすればいいかというと、ユーモアを何度も理解することです。

コロンビア大学の研究(5)では、ユーモアに触れた時に素早く理解できる人ほど、ユーモアを生み出す能力が高いことを明らかにしました。

被験者は、2種類の漫画のキャプションを読み、どちらがユーモアがあるか当てるという作業に取り組みました。

その結果、素早くユーモアのある方を当てられた被験者は、次のユーモアを生み出す作業でも得点が高かったのです。

 

ネットで面白いジョークを検索して、なぜ面白いのか考える。コメディを見て、笑ったところをメモし、他にどんな状況でその言葉を使えるのか書き出す。何度もユーモアに触れて、本質が理解できるようになれば、ユーモアのある人間に近づいていくでしょう。

 

まとめ

ユーモアのメリットは、2つでした。

  1. 人間関係で成功する
  2. 幸福が増す

ユーモアのある人の特徴は、3つ。

  1. 開放性が高い
  2. 拡散思考
  3. 結晶性知能が高い

3つとも全て、開放性が高ければ、高いです。

ユーモアを磨く方法は2つ。

  1. 開放性を伸ばす
  2. ユーモアを何度も理解する

これらが今のところ科学的に分かっていることです。

ユーモアは、才能ではありません。語学を学ぶように、何度も繰り返し理解し、実践を続けていれば伸びていきます。

お伝えした全てのことが身についたときには、もうつまらない人だとは思われなくなるでしょう。