自分の時間を犠牲にして、他人のために尽くす人っていますよね。
「自分を優先しなくていいの?」と思ってしまうところなのですが、彼らにそんな心配は無用のようです。
実は、人のために行動できる人ほど知能が高いという研究があります。彼らは仕事のスピードが早いので、人を助けるだけの時間の余裕があるとのことなのです。
今回は、利他的行動と知能の関係についてお伝えします。
利他的な人は頭がいい
ルーヴェン・カトリック大学の研究(1)では、利他的な人は頭がいいのかを実験で調べています。
実験の対象となったのは、18~27歳の男女176人。ある投資のゲームで彼らの利他的な行動を観察しました。
ゲームでは、こんなことをしています。
- 4人がプレイヤー、2人が観察という設定、しかしゲームに参加しているのは被験者1人のみ(後はコンピューター)
- 最初に全員に40ポイントが配られる
- 投資対象が提示され、投資したいポイント数を決める
- 投資対象にポイントが100溜まったら、皆40ポイントずつゲット
プレイヤー1人あたり25ポイントを投資すれば、皆利益が得られるというゲームです。ゲームのはじめに被験者は観察役となり、投資対象に100ポイント溜まらなかったという失敗のシチュエーションを見せられます。その失敗を見た後、被験者はどのくらいポイントを投資するのか観察されました。
実験終了後、実験者は投資したポイントに応じて3つの分類をしました。
- 協調性のある人(25ポイント付近)
- 利己的な人(少ないポイント)
- 利他的な人(多くのポイント)
さて、被験者に最後のIQテストを受けてもらったところ、意外な結果が表れたとのことです。
その結果は、
- 利他的な人がもっともIQテストの点が高かった
- その差は10%ほど
でした。
人に平等であったり、自分の利益だけ追い求めたりする人よりも、人のために尽くせる人のほうが知的だったのです。
利他的な人の頭がいい理由は、
- 人のために使った時間をすぐ回収できるから
という感じ。頭の良さゆえに仕事のスピードが早く、人のために使える時間が有り余っているということです。
頭が良くて有能、しかも優しいなんて、すごく魅力的な人物に思えますよね。
利他的な人はモテるかも
利他的であること、そして知的であることは、モテの大切な要素です。
過去の研究でもそのことについて明らかにしています。
女性からすると、男性の向社会的行動は好ましい特性に見える(Jensen-Cambell., et al 1995)。知性も同じく、どちらの性別にとってもパートーを選ぶ際の重要な基準になるうるのだ(Li., et al 2002)。
2つとも魅力的な特徴なので、身につけている人はさぞモテることでしょう。
知能はどうしようもないですが、利他的な行動は自分の意思やトレーニング次第で身につくので是非とも手に入れたいところですね。