心理の棚

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「知的謙遜」が強い人は知識量が多いという研究結果

知的謙遜が強い人は、一般知識を問うテストで高いスコアをとれることが判りました。

知的謙遜とは、自分の知識の限界を理解していることをいいます。この傾向が強いと、知らないことを知らないと認めることができたり、異なる考え方の人から知識を吸収できたりします。圧倒的に学習に有利なのです。

彼らが優秀であることを示す新しい研究結果が The journal of Positive Psychology に掲載されました。

 

実験

ペパーダイン大学らの研究では、約1200人の被験者を集めて5つの実験を行いました。

被験者らの知的謙遜レベルと、GPAや学習へのモチベーションなどとの関係を分析したそうです。

その結果、知的謙遜が強い人には一般知識テストの高い得点に加え、いくつものメリットがあることが分かりました。

1~5の実験結果を順番に見ていきましょう。

 

  • 実験1:自分は何でも知っていると思い込んでいた人は、自分の知力(言語、推論、空間把握能力など)を過剰に高く見積もっていた。逆に、知的謙遜が強い人は、正しく見積もっていた。
  • 実験2:自分の知能に自信があると、大学のGPAが高かった。が、意外なことに知的謙遜が強い人はGPAは低かった。
  • 実験3:「他人の意見を喜んで受け入れられる」という文章に同意した人は、嘘のコンセプトを正しく判別することができた。つまり、情報の真偽を判断する能力が高いということである。
  • 実験4:知的謙遜が強い人は、あたまを使う問題に対して楽しんで積極的に取り組んでいた。さらに、新しい体験や知識を手に入れたがる傾向にあった。
  • 実験5:知的謙遜が強い人に次の特徴があった。柔軟に考え方を変えられる。自分の意見とは正反対のエビデンスにオープンな姿勢をとる。利益のため(例.いい学校に入る)ではなく、心の底から知識を欲していた。

 

意外なことに、知的謙遜の強さがGPAの低さと関係があったものの、知識量や学びへの高い意欲という点では有利な結果となりました。

 

なぜ、GPAが高いと知的謙遜が弱いの?と疑問に思うところですが、それにはこんな理由があります。

研究者曰く、

高GPAを取って知能に誇らしさを感じていた生徒は、自分の知識に自信が持てなくなるという状況に陥りづらかったのかもしれない。そのせいで、知的謙遜を発達させる機会に恵まれなかったのだろう。

とのこと。

よく勉強ができる人は、自分の知識に自信を持ってしまうという理由でした。

勉学で失敗することも、強い知的謙遜を獲得するためには必要なことかもしれません。

 

最後に、研究者は次のことを述べています。

知的謙遜が全般的な知識に優れていた理由は、自分の無知を正しく理解していたからである。

つまり、無知を知っていることが新しい知識を獲得するためのファーストステップになるであろう。

新しいことを学習する際には、まず自分が何を理解していないのかを明確化することが望ましいといえるでしょう。

そうすればきっと、知的謙遜が強くなって新しいことを次々に覚えていけるはずです。

頭の固い大人にならないためにも、「自分には知らないことが多い」と思うようにするといいかもしれませんね。