ダークトライアドの反対に近い存在、ライトトライアドという特性が明らかになりました。
ライトトライアドは、ダークトライアドとは違って、まるで聖人のような存在です。もしも、自分に当てはまっていたなら、他の人から魅力的な人間のように思われていることでしょう。
まずは簡単にダークトライアドのおさらいからお伝えし、次にライトトライアドの特徴について見ていきましょう。
今回の記事の参考にしたのは、Kaufman, Yaden, Hyde, Tsukuyamaらの研究です。論文を読みたい方は参照ください。
ダークトライアドとは?
悪の3つの特性を兼ね備えた人物は、ダークトライアドと呼ばれます。その3特性とは、サイコパシー、マキャベリズム、ナルシシズムのことです。
ダークトライアドの代表的な特徴は、他者から搾取し、富や名声を求め、多くの女性と関係を持つことです。
同姓としても異性としても付き合わないほうがいい性格特性の人たちといえるでしょう。
それぞれの特徴について知りたい方は、こちらをご覧下さい。
ライトトライアドとは?
まずは、3つの特性について簡単に見ていきましょう。
3つの特性
Kaufmanらは、新しくライトトライアド尺度を作成しました。
これからお伝えする3つの特性を合わせ持つ人は、ライトトライアドな人だといえるでしょう。
それでは3つの特性は、こちらです。
- Faith in Humanity(人間への信頼)※訳は私が適当につけました
- Humanism(ヒューマニズム)
- Kantianism(カンティアニズム)
それぞれの概要を短くまとめていきます。
まずは、1のFaith in Humanityから。人間は良い人たちだと信じていることを意味します。
この特性を持つ人は、次の文章に深く共感します。
- 人間は良い存在に思える
2のHumanismは、個人を尊重することを意味します。
他人を尊敬したり、人の成功を喜べたりするとHumanisimの傾向にあります。
また、次の文章に共感するとのことです。
- 楽しんで人の過去の話を聞ける
3のKantianismは、目的を達成するための手段として人を利用しないことを意味します。
自分の利益のために人を騙したりしない人に当てはまります。
次の文章に共感すると、Kantianismの傾向にあるでしょう。
- 人と話すとき、彼らから何を得られるのかと考えることはめったにない
さらに、正直な人を好むといった特徴もあります。
3つの特性を持つと、ライトトライアドです。次にどんな人がライトトライアドになりやすいかを見ていきましょう。
ライトトライアドになりやすい人とは?
kaufmanらは、1500人以上の様々な年齢層からなる男女を集め、ライトトライアド尺度を使った調査を行いました。すると、次のような人は、ライトトライアドの3つの尺度の得点が高かったそうです。
- 女性
- 年を取っている人
- 子ども時代に両親の喧嘩が少なかった人(心理学では、childfood unpredictabilityという)
一般的に優しそうなイメージのある人に、ライトトライアドは多かったのです。
ダークトライアドになりやすい人とは?
そしてもう一つ、研究では、同じサンプルに対してダークトライアドな人の特徴も調べたそうです。すると、ダークトライアドは、
- 男性に多い
- 力や自分を高めることにモチベーションがある
- 未熟な防衛(問題行動、理想化などのこと)の傾向にある
ことが分かりました。
パワーを求めるダークトライアドのイメージとぴったり当てはまっていますね。
ライトトライアドはダークトライアドの反対?
ライトトライアドとダークトライアドを比べて見ると、一見、正反対な存在に思えます。
しかし、研究によるとその解釈は間違いなのだそうです。
研究結果では、ライトトライアドとダークトライアドの相関係数は、-0.48で中程度の相関でした。なので、例えば、Humanisimが高く、サイコパシーも高いということがあり得ます。
ライトトライアドは単にダークトライアドの反対の存在ではないということです。
ライトトライアドの魅力
kaufmanらの研究の結果、ライトトライアドの得点が高かった人には、人生の満足度や人との関わり方などにポジティブな面が見られました。
その研究結果から、簡単にライトトライアドな人の魅力についてまとめてみます。
- 人生に満足している
- 他人を受け入れられる
- 共感力がある
- 開放性が高い
- 好奇心が旺盛
他にも魅力はたくさんありますが、紹介しきれないので英語を読める方は、論文を読んでいただけたらと思います。
ざっと見ただけでも、ダークトライアドにはない、聖人らしい魅力が詰まっていますよね。
実際にライトトライアド尺度を受けてみた
kaufmanさんのブログから、ライトトライアド尺度を受けることが出来ます。※全て英語です。
さっそく、私も受けてみたのでその結果を紹介したいと思います。
画像を乗っけて良いのか分からないので、文章でお伝えしますね。
まずは、生まれ年をタイプしてスタートです。
選択肢の中から自分にあっているものを直感的に選んでいきます。私ははじめの質問として、「私は人の優れているところを見る傾向にある」というのに答えました。
12問を解き終えると、はじめてのテストか?を聞かれ、さらにいくつかの質問に答えた後、結果が表示されます。
私の結果はこうでした。
- 約16%ライトトラアド側
- Faith in Humanity 50点くらい
- Humanism 1回目メモわすれました... 2回目は60点くらいでした
- Kantianism 70点くらい
とりあえず、ダークトライアドでなくて安心しました。
人をそんなに信じてはいないものの、好きなほうではあるといった感じですね。Kanitianismが高いので、正直な人間っぽいです。
研究結果によると、多くの人がライトトライアド側に位置するそうなので、私の結果は平均的なのかなと思います。
ダークトライアドの結果も出るので、そちらも見ていきます。
- ナルシシズム 40点くらい
- サイコパシー 20点くらい
- マキャベリズム 50点くらい
良い感じのバランスです。
サイコパスは、冷淡な特性として知られているので、この点数が低かったのは嬉しいところ。
全体をまとめると、悪人ではない平均的な人間なのかな?といった感じ。
このテストで分かるのは、自分がライトトライアド傾向にあるのか、それぞれの特性の点数のみです。詳細な分析はないので、自分がどちらの傾向にあるのかな?くらいしか分かりません。
それでも、自分がどういう人間なのかを知ることが出来るので、一度受けてみることをオススメします。
問題に書かれている英語は、簡単に理解できるものなので、是非。