心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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孤独がもたらす4つの悪影響と克服の方法

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一人でいる時間が長く続くと、「孤独かもしれない」と悩むことがあります。

しかし実際に「孤独感があるか」と聞かれたら、よく分からず首を傾げてしまう人もいるでしょう。

自分が孤独かどうか知るためには、まずはその悪影響について知っておく必要があります。もしも、当てはまってようであれば、すぐに対処するべきでしょう。

今回は、孤独による4つの悪影響と診断、克服方法についてお伝えしていきます。

 

 

孤独による4つの悪影響

心理学の論文の中から、4つ孤独の悪影響について見ていきます。孤独感のある人なら、ドキッとするものがあるのではないでしょうか。

1.人と距離を置く

心の距離は身体の距離と言われていますが、孤独な人の場合、家族や友人ですら距離を置きたくなってしまいます。

シカゴ大学の研究(1)では、580人を対象にある実験を行ったそうです。被験者らに「孤独かどうかの質問」と「不快だと感じる人との身体の距離感」について調査を行ったとのこと。

その結果分かったのが、

  • 孤独な人はそうでない人よりも2倍、友人や家族から身体の距離をおきたいと思う傾向にあった。
  • 見知らぬ人との距離感は、孤独な人もそうでない人も違いが見れなかった

という感じ。孤独を感じている人は、親しい人に対してだけ物理的に距離を置きたいと感じたそうです。

以前と比べて友人からの誘いを断るようになった、家族と会う回数を減らしたいと考えている人は、既に孤独の影響を受けているかもしれませんね。

2.寝てもスッキリしない

孤独な人は、目覚めが悪くなります。

デューク大学らの研究(2)によると、睡眠の質と孤独感が関係しているとのことです。実験の対象となったのは、2232人の被験者ら。彼らの孤独と睡眠の質を調べた結果、

  • 孤独な人は、全ての睡眠の質(睡眠の長さ、眠りに落ちるスピード等)が悪かった
  • 孤独な人は特に、主観的な睡眠の質が悪かった

ということが分かったそう。なんとなくでも朝スッキリしないと思えば、孤独からの悪影響を受けているかもしれないということです。

3.孤立も孤独感も死亡率を上げる

孤独を感じていなくとも、人との関わりが少ないだけでデメリットがあります。

ブリガムヤング大学らの研究(3)では、過去の70の研究を分析し、孤立や孤独感、一人暮らしの影響について明かしています。

研究の結果分かったのは、

  • 社会的な孤立を感じている人は、平均死亡率が29%だった
  • 孤独感のある人は26%
  • 一人暮らしの人は32%だった

とのこと。

どんな形であれ、孤独でいると寿命が縮まってしまうのだそうです。とくにまずいのが、一人で暮らしている人。ペットを飼うなど、一人だということを意識しないような工夫が必要となってくるでしょう。

4.サバイバルモード

人と関わりたいと思っているのに、拒絶が怖くて避けてしまう、そのことを心理学ではサバイバルモードといいます。

人は孤独を感じると、サバイバルモードになってしまい、孤独から抜け出しにくくなります。話しかけたくても恐怖で話せない、そんな状態が続き、ますます孤独に陥ってしまう。そんな負のループに陥ってしまうのです。

やがて、周囲の人には一人でも大丈夫な人だと思われ、コミュニケーションの機会は益々減っていくことでしょう。

このループを断ち切るには、早々に孤独感からくる人への恐怖をなくす必要があります。その方法については、最後にお伝えします。

 

自分が孤独なのか診断する方法

一人でいても意外と平気だと考える人がいます。しかし、実際には自分の気づかぬところで孤独を感じているかもしれません。そこで、自分が孤独かどうか分かる簡単な4つの質問を用意しました。この質問に答えれば、孤独なのかはっきりするでしょう。

孤独かが分かる4つの質問

次の4つの質問に、0(全然)、1(たまにある)、2(よくある)でお答えください。

  1. 人付き合いが少ないと感じていますか?
  2. 仲間はずれにされていると感じていますか?
  3. 他人から孤立していると感じていますか?
  4. ひとりぼっちだと感じていますか?

質問に答え終わったら、その合計点を出しましょう。その点数が、あなたの孤独点です。

本当にこんな質問で分かるの?と疑問に思われる方もいるかと思います。が、大丈夫です。キングスカレッジロンドンらの研究(4)でその信頼性については確認済み。

では、実際に何点だと孤独なのか見ていきましょう。

アウトな孤独点

結論から先に言うと、合計点が2点以上だとアウトです。キングスカレッジロンドンらの研究によると、合計点が2点以上だった場合、孤独によって心理的にも身体的にも悪影響が出てくるそうです。

例えば、研究で分かっているものでいうと、

  • うつや不安のリスクが2倍高くなる
  • 運動をしなくなる
  • 喫煙率が高くなる
  • ストレスへの対処が苦手になる

ということが分かっています。

2点という数字は低いように見えますが、実際にはこんな小さな値でもアウトなのです。

 

孤独を克服する3つの方法

「孤独を克服するなら、コミュニケーションを増やせばいい」とアドバイスをする人がいますが、それでは上手くいきません。

孤独からなかなか抜け出せない理由は、拒絶への恐怖があるから。たとえコミュニケーションを増やしたとしても、心の中の「嫌われるんじゃないか?」という不安が消えないことには、恐怖はなくなりません。

大事なのは、認知のゆがみを正すこと。認知が変われば、拒絶への恐怖が消え、人との関わりが楽になります。これからその認知の歪みを治す方法について見ていきましょう。

1.認知行動療法

孤独を克服するなら、認知行動療法が最善の方法です。過去のメタ分析(5)では、認知行動療法が孤独に最も効果があると結論付けています。

例えばどんなやり方があるかというと、脱フュージョンテクニック というものがあります。脱フュージョンとは、思考の歪みを直す認知行動療法の1つのテクニックのこと。

「嫌われそう」といった、現実にはまだ起きていないのに頭の中で勝手に作り出される思考を消すことができます。「嫌われそう」であれば、「実際に嫌われているかは分からない」といった様に、思考の歪みが直っていくのです。

具体的なやり方は、こちらのエントリーから見てみてください。ただ、紹介しているやり方は1つだけしかないので、本を読むことをオススメします。

2.効果のある瞑想法2つ

瞑想の中でも特に、呼吸瞑想と慈悲の瞑想は、孤独を和らげる効果があります。

アデレード大学の研究(6)では、115人の大学生を対象としてある実験を行ったそうです。被験者らを、呼吸瞑想、慈悲の瞑想、リラックスをする3つのグループに分け、孤独への効果を調べています。

その結果分かったのは、

  • 呼吸瞑想と慈悲の瞑想を行った被験者は、社会的なつながりを感じやすくなり、自然とのつながりも感じやすくなった
  • 呼吸瞑想と慈悲の瞑想との間に効果の違いは無かった

ということ。どちらの瞑想も共に孤独を和らげたそうです。

ちなみに、慈悲の瞑想のやり方はというと、

  1. 体をリラックスさせ、次の言葉を唱える
  2. 私が幸せでありますように。私が安全でありますように。私が強く健康でありますように。私が満たされますように。
  3. 次に先ほどの言葉の「私が」の部分を親しい友人の名前に変える
  4. 続いて、順に「私が」を「尊敬する人」、「知人」、「苦手な人」「生きているもの全て」に変え、唱える。

こんな感じです。

呼吸瞑想は、こちらをご覧下さい。ちなみに、瞑想も認知の歪みを正す効果があるので、実践することをオススメします。繰り返し練習すれば、人からの拒絶が怖くなくなるかと思います。

3.セルフコンパッション

どうやっても自己肯定が得られない、自信がないから人と関わりたくない、そんな人は、セルフコンパッションを実践してみてください。

セルフコンパッションとは、

ありのままの自分を受け入れ、自分だけでなく他人にも優しくなれる方法のこと。

引用:もし完璧主義を治したいならセルフコンパッションを使うこと - 心理の棚

で、セルフコンパッションが身につけば、コミュニケーションへの恐怖は減っていきます。

自分に厳しくしないと自分を変えられないという人もいるでしょう。しかし自分に厳しすぎるあまりに失敗を恐れるようになり、逆に行動ができなくなることだってあります。

失敗が怖くない、人からの拒絶を恐れないためにも、セルフコンパッションでありのままの自分を受け入れて下さい。どんな自分にも優しく慣れれば、後から自信も付いてきます。

 

まとめ

見てきたとおり、孤独を感じている人は、早急に対処しないと健康や心理的なリスクがあります。孤独が長引けば、それだけ脱することは難しくなるでしょう。

しかし、どうしても人に会いたくない、会えない事情があるということもあると思います。その様な方は、小説を読むのがオススメです。

長く健康で生き続けるためにも、孤独への対策は万全にしておきましょう。