「1つのことに注意を向け続けるのが苦手」「作業中に他のことが気になって、つい手を止めてしまう」ということはありませんか?
もし、集中力を上げたいのなら、瞑想を習慣的に行いましょう。これから紹介する瞑想法であれば、きっとあなたの集中できる時間は伸びていくはずです。
今回は、海外の最新研究から、瞑想で集中力を上げる方法についてお伝えしていきます。
集中力上げるなら注意力を鍛えよう
集中力を上げたいなら、他のことに気を散らさないために注意力を鍛えなければなりません。勉強をしているのにSNSを見たいと思えば、集中は途切れてしまいますよね。そのことを防ぐためにも、注意力を鍛える必要があるのです。
瞑想で注意力が上がる
オスナブリュック大学らの研究(1)では、8週間の瞑想で注意力が上がることを明らかにしています。
研究の対象となったのは、34人の被験者ら。彼らは、瞑想グループとコントロールグループに分けられたとのこと。瞑想グループは平均して週3.8回の瞑想を8週間に渡って行ったそうです。介入の前後には、認知能力を測るテストと脳波の記録をしています。注意力のテストだけでなく脳の状態まで調べているので、なかなかに信頼のおける研究ではないでしょうか。
さて、8週間後の瞑想グループの変化はというと、
- 注意力がアップした
- 目の前の作業に関連した記憶を保持、記憶を引っ張ってくる能力が向上した(ワーキングメモリの向上)
- 脳を効率よく使えるようになった
とのこと。まとめると、目の前の作業に没頭できるようになったということ。言い換えれば、瞑想を続ければ集中力がアップするということでもあります。
事情があって騒音のある場所でしか作業ができない、という環境下でも集中できるようになるでしょう。
集中力を上げる瞑想法とは
実験で行われた瞑想法とは、呼吸瞑想とオープンモニタリング瞑想を組み合わせた方法のこと。簡単に言えば、呼吸に集中しつつ、意識が逸れたら感情や思考を観察するという瞑想法です。
やり方は、
- イスに座り、体をリラックスさせる
- 自然な呼吸の流れに意識を向ける。呼吸のリズムを変えようとしないこと
- 呼吸から意識が逸れたら、邪魔をした思考や感情に気づき、再び呼吸に注意を向ける
このようになっています。一般的な呼吸瞑想と違うのは、わざと呼吸をゆっくりさせようとしないところ。自然な呼吸を心がけてください。あともうひとつポイントがあります。
- 呼吸への注意を邪魔した思考や感情、感覚などには、判断を下さず、評価せず、受け入れるよう心がけること
こちらはオープンモニタリングの要素です。瞑想中は、「早く終わらないかな?」などの思考や感情が浮かんできます。その時に、「ダメだ。思考をとめなきゃ」と考えるのではなく、「早く終わって欲しいんだね」という様に、受け入れるような態度を心がけると上手くいきます。
瞑想初心者の方は、まず5分から始めてみて、慣れてきたら10分、20分と少しずつ時間を延ばしていきましょう。長めに瞑想するほど、集中力は鍛えられていくと思います。
ちゃんと瞑想ができているか知るには
瞑想がちゃんとできているかは、メントレというアプリを使えば分かります。

このアプリは、指先から心拍変動を読み取り、瞑想中のリラックス度を測ることが出来るというもの。心拍変動とは、ストレスの度合いを調べるためによく使われる尺度のこと。瞑想の質を調べるなら、なかなかに信頼できる方法です。
例えば、こんな感じでリラックス度を調べてくれます。
これは私のデータなのですが、見て分かるとおり瞑想中にリラックスできていることが数値で表れています。グラフが上にあるほど、リラックスできている状態です。ちゃんと瞑想ができていれば、青の「High」というところに線があるでしょう。
アプリの使い方は、起動した後に「meditate」ボタンを押し時間の設定をして、再生ボタンを押すだけ。あとは指先をスマフォのライトのところに当てれば計測が始まります。
手軽に瞑想の精度を確認できるので、オススメなアプリです。
まとめ
今回お伝えした研究では、瞑想を8週間行ってから効果を調べていました。そんなに長く続けないとダメなの?と思う方もいるでしょう。
しかし、瞑想をこれだけの期間続ければ、より脳を効率よく使えるようになっていきます。たった2ヶ月で、その先も集中力を高いまま保つことができるようになるかもしれないのです。
本当に集中力を上げたいという方は、根気よく続けてみてください。仕事も勉強も効率よくこなせるようになるでしょう。