瞑想でメンタルが向上するという研究結果は数多くあり、ストレスや不安、うつの改善に役立つことが研究によって実証されています。
しかし、瞑想を始めて間もない人の中には、イマイチ変化を感じられないという人もいるでしょう。このまま続けて、ちゃんと効果は表れるのでしょうか。
少しだけ安心できるかもしれません。新しく発表された研究によると、瞑想熟練者は未経験者よりもストレスからの回復スピードが早かったのだそうです。
新しい研究結果が Psychoneuroendocrinology に掲載されています。
瞑想熟練者はストレスからの回復が早い
ローゼン大学らの研究では、瞑想の熟練者と未経験者とのストレス回復のスピードの差について調べています。
研究者は、
過去の研究結果には、特定の種類の瞑想がストレス反応を緩和するのに役立つことが示されており、そこに私は好奇心をそそられた。 また、なぜそのようなことが起こるのか、背後にあるメカニズムは何なのかにも興味を持ったのだ。
とのこと。このような理由から、3年以上瞑想に取り組んでいる29人の熟練者と26人の未経験者を対象に実験を行ったようです。
参加者らに課せられたのは、スピーチと計算のテスト。その間、ビデオが回されており、さらに無愛想な人に観察されていたそうです。そのため、緊張を感じるような状況にあったといえます。
そしてテスト前、中、後のストレスの変化を調べると、瞑想熟練者がより早くストレスから回復していることが分かりました。参加者らの唾液から採取したコルチゾールの量が、テスト後に減っていたそうなのです。そしてもう一つ注目すべき点として、瞑想熟練者が恥を感じづらかったことも分かっています。
著者は今回の結果に関して、
研究では、瞑想がストレスからの回復と関係していることが示された。そして、瞑想者はアクセプタンスや自身の体験に対しての無批判の姿勢といった、感情制御戦略に長けていたことがデータによって説明された。
とのことです。
熟練者がなぜストレスから早く回復できたのかは分からなかったようですが、とりあえず瞑想をしてみる価値はあるといえるでしょう。
どの瞑想が効果的かは分かっていない
言い忘れていましが、今回の実験に参加した瞑想熟練者が取り組んでいたのは、「Buddhist Meditation」という瞑想です。呼吸瞑想を思い浮かべてもらえばいいでしょう。
この瞑想に取り組んでいた人たちはストレスに強かったのですが、だからといって他の瞑想法との効果の違いは明らかになっていません。
慈悲の瞑想がいいのか、オープンモニタリング瞑想がいいのか、ということは不明なのです。なので、効果を実感したいのなら、とにかく何でも試してみるのが良いかと思います。いつ変化が表れるかは分かりませんが、少なくとも3年は続けていれば、ストレスに強くなっていることが実感できるでしょう。