マインドフルネスがメンタルに効果的だという話をよく見かけます。しかし、どのくらい効果があるのかについては良く知らないという方が少なくないはず。
「ストレス、うつ、不安に悩んでいる。マインドフルネスに効果があるのか疑っている。どれだけ効果があるのか数値として知っておきたい。」
新しい研究では、そんな方たちにとって有益なデータが見つかったそうです。
今回は、どれだけマインドフルネスがメンタルに効果があるのか見ていきましょう。
ストレス、不安、うつに効果あり
澳門大学らの研究(1)では、マインドフルネスがストレス、不安、うつに対して大きな効果が得られることを明かしました。
研究の対象となったのは、101人の大学生。彼らをランダムに4つのグループに分けて、実験を行っています。
- 何もしないグループ(コントロール)
- マインドフルネスグループ
- マインドフルネス+リマインダーグループ
- マインドフルネス+リマインダーに動物の写真を加えたグループ
リマインダーを使うことで、マインドフルネスが長期にわたって継続しやすくなるのかも調べたそうです。朝起きたら、携帯に「瞑想してね」という通知が来るみたいな。
実験でのデザインはこんな感じになっております。
- 尺度を使って、ストレス、不安、うつの傾向、睡眠の質を測定する
- マインドフルネスグループは、週2回以上瞑想する
- 4週間は27分の呼吸瞑想、残りは25分のボディスキャン瞑想を行う
- 4,7週目に効果の測定
事前の調査では、50%以上の学生がストレス、不安、うつの傾向が高かったそうです。さらに80%以上が睡眠に問題ありという結果も出たんだとか。
さて、介入が終わって結果を見てみると、
- 4週目には、ストレス、不安、うつ、睡眠に大きな効果(d=0.86-2.00)が得られた。
- 7週目も効果が持続していた
- マインドフルネス+リマインダーグループの方が継続して瞑想に取り組んでいた
とのこと。
dというのは効果量のことで、介入による効果の大きさを統計量で表したもの。だいたい0.5を超えると効果が中くらい、0.8を超えると大きいといわれています。
結果を見た限り、かなり大きな効果が得られていますね。唾液やHRVでもストレスを測定して欲しかったところですが、これだけ大きな値が出るとメンタルに効果はありそうな気がしてきます。
ストレス、不安、うつ、さらに睡眠の質を改善したいという人はマインドフルネスをやるべきだといえるでしょう。
まとめ
マインドフルネスは、ストレス、不安、うつの減少に期待が持てます。
ただし、実験で使われたような呼吸瞑想には、効果が薄いかもという研究もあります。実践できる瞑想のレパートリーを増やしておいて、効果がないと感じたら別の種類を試すというのがいいんじゃないでしょうか。
週何回やればいいの?と疑問に思われる方もいると思います。研究を見たところ、週2回以上、1回20分くらいで効果は現れそうです。なにより継続することが大事なので、最初は少ない時間から始めてみると良いですよ。