心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識が得られるでしょう。

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創造性を低下させるNGな音が明らかに

music-creative
「何かアイデア下さい」

そう言われた時に、周りからどんな音が聞こえるかで発想のしやすさは変わります。

音楽、雑音、何も聞こえない。

これら3つの内1つだけ、創造性を低下させてしまうものがあります。

どれだと思いますか?

セントラル・ランカッシャー大学らの研究では、バッググラウンドで流れる音によって創造性テストの成績に差が出ることが明かされました。

研究の論文は、Applied Cognitive Psychologyに掲載されています。

 

創造性を低下させるNGな音

研究では、3つの実験が行われました。

  1. 馴染みのない音楽(外国の曲)を聞いた時と無音の時での創造性の比較
  2. 馴染みのない音楽(楽器演奏のみver)と無音の比較
  3. 馴染みのある音楽と無音と図書館の騒音で比較

それぞれの環境の下、cRATと呼ばれる収束思考のテストを行ったのです。

収束思考とは、アイデアを発展させたり、複数のアイデアを1つにまとめたりする創造的思考の1つのこと。実験においては、3つの単語から共通点を見つけるという問題を解かせたそうです。例えば、"hair" "time" "strech"に共通する単語として、"long"を答えます。

曲を聞いているときに、創造的思考は上がるのか?下がるのか?を実験したということですね。

 

実験結果は、次の通りです。

  • 1,2,3全てで、音楽が流れている環境では創造性の成績が低かった
  • 騒音と無音に創造性の成績の差はなかった

つまり、音楽が流れている環境では、創造的思考が働きにくくなるということです。

 

しかし、いくつか疑問が残ります。

普段から音楽を聴いているかも成績に関係するんじゃない?音楽で気分が上がったかも関係するのでは?

音楽を聞きながらアイデアを考えるのが好き、という人もいそうです。気分が上がったら、より発想力が高まりそうな気もします。

が、予想に反して、実験3では普段から音楽を聞いていようと気分が上がろうと、作業時にただ音楽が流れているだけで創造性は低下していたとのことです。とにかく音楽はNGということですね。

 

音楽で創造性が下がる原因は、ワーキングメモリの悪化だと論文の著者はいいます。

音楽が思考の邪魔となり、タスクへの注意を邪魔し、クリエイティブな思考力が減ってしまうのです。

アイデアを考えるときには、無音または多少の雑音があるところがベストということになります。

 

創造性には他にも、収束思考だけでなく拡散思考というものもあります。拡散思考とは、複数のアイデアをぽんぽんと生み出す思考のことです。注意が散漫な時にこの思考力が高まるといわれています。

もしかしたら、こちらの創造的思考力は音楽で下がらないかもしれません。

ただ、ワーキングメモリが悪化するということから、能力が上がるということには希望が持てない気がします。

何にしても、アイデアを考える際には、静かな場所が良いでしょう。