心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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年を取ることへのネガティブなイメージが認知症のリスクを上げる

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次の質問に答えてみて下さい。

「年を取るのは嫌ですか?」

年を取ることにネガティブなイメージを持つ人は、いくつかのリスクを抱えています。そのひとつが認知症です。

もし、あなたが質問に「はい」と答えたなら、将来認知症になる確率が跳ね上がってしまうことでしょう。

 

 

ネガティブなイメージの影響

イエール大学らの研究(1)によって明かされたのは、老いへのネガティブなイメージがアルツハイマーの発症確率を上げるということ。

研究では、60歳以上の被験者を集め20年間に渡って調査しています。

実験のデザインはこんな感じ。

  • 尺度を使って老いにネガティブなイメージがあるか調べる
  • fMRIで海馬のボリューム、アルツハイマーの得点の変化を追う

アルツハイマーと関係しているのが、海馬のボリュームです。海馬とは、脳の部位のひとつであり、長期記憶を司るところでもあります。アルツハイマーが発症すると、このボリュームが萎縮してしまうんだとか。

さて、研究チームの調査で分かったのは、

  • ネガティブなイメージの人ほど海馬のボリュームが萎縮していた
  • アミロイド班と神経線維変化が蓄積していた

ということ。さらに海馬のボリュームの萎縮スピードもネガティブな人のほうが明らかに早く、ポジティブな人が9年で萎縮する量をたった3年で到達してしまったそう。

ちなみに、アミロイド班と神経線維変化も同様、アルツハイマーの原因となるもの。アルツハイマーになった人の脳にはこの2つが蓄積しているといわれています。

結果から分かる通り、老いへのネガティブなイメージが、アルツハイマーの確率を上げてしまったのです。

 

ポジティブなイメージの影響

逆に年を取ることにポジティブなイメージを持つ人だとどうなるのでしょうか?

公衆衛生大学らの研究(2)によると、老いにポジティブなイメージを持つ人ほど認知症にかかる確率が低くなるとのこと。

こちらの研究は、60歳以上の被験者4,765人を対象に実験し、その事実を明かしています。

実験のデザインはこんな感じ。

  • 4年間に渡って認知症のテスト結果を追った
  • 老いへのポジティブなイメージがあるか尺度で調査

被験者の中には、アポリポ蛋白E4というアルツハイマーの危険因子を持つ人もいたようです。元々認知症になりやすい人でもポジティブなイメージによる発生確率が減少するか見ていったんですね。

結果はというと、

  • 被験者トータルで見ると、老いにポジティブなイメージの人はネガティブな人より認知症の発達リスクが43.6%低かった
  • アポリポ蛋白E4の人は、49.8%もリスクが低かった

とのこと。年齢を重ねることにポジティブなイメージを持つ。たったこれだけで、認知症になりやすかった人でもリスクが大きく軽減しています。時々、若いのに「おばさんになっちゃった」と言っている人がいますが、そのような方は認知症対策のためにもポジティブな言動へと変えた方が良いでしょう。

 

まとめ

年を取ることへのイメージというと、「疲れがなかなか取れなくなる」「病気が心配」など、ネガティブなことを考えてしまいがちです。

しかし、見方を変えて「子どもの成長を楽しめる」や「知識が増えていく」と考えてみてみましょう。

ポジティブなイメージを持てば、認知症など様々なリスクが低下していきます。健康的な生活のためにも、ポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか?