心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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避けるのはもったいない、ネガティブのメリット4つ

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ポジティブな感情ばかり追い求めている人がいます。しかし、それでは成功から遠ざかってしまうでしょう。

幸福学研究をしているディーナー博士によると、

あらゆる心理状態には、「アダプティブ・アドバンテージ(変化に適応するための優位性)」がある 。従ってどれかひとつがよいと決めてそちらをめざすのではなく、さまざまな感情ーとりわけ目を背けがちな感情ーの有用性を考え、どんな心理状態でもうまく舵を取って生きる能力を身につける方がいい。

ネガティブな感情が成功を呼ぶ(イントロダクション)著:ロバート・ビスワス=ディーナー

とのことで、ポジティブもネガティブも有効に使える人ほど成功にぐっと近づきます。

今回は、普段見過ごされがちなネガティブのよいところについてお伝えしていきます。

 

 

ネガティブで思考が変わる

人はポジティブな気分の時、素早い思考を行います。他人を見てすぐに、「あの人頭良さそう」や「性格良さそう」などと思い、パッと見の印象で性格や能力を判断してしまいます。

逆に、ネガティブな時にはゆっくりとした思考を行うのです。あの人は見た目は派手なものの、眉毛は処理してないし靴底は擦り減っている、意外と雑なタイプかも。といったように、人のことをしっかりと観察した上で判断を下します。

時間をかけて慎重に思考をする、それがネガティブな気分の時の思考法です。

 

ネガティブのメリット

ネガティブには思考法の違い故に、よいところが最低でも8つ(1)はあります。今回は、その中から4つお伝えしていきます。これを見れば、ネガティブが避けるべき気分でないことが分かるでしょう。

1.記憶力が上がる

ネガティブな気分の時の方が、記憶力が上がります。実際に過去を振り返ってみれば思い当たる節があるかと思います。

友人にひどいことを言われた。勉強で失敗した。そのような体験の方がポジティブなことよりも覚えているはずです。

ネガティブで記憶力が上がる。これを利用すれば、勉強前にわざと悲しい映画を見てインプットの精度を上げるなど、学習を有利に進めることもできそうです。

2.印象に騙されない

人は、かっこいい、可愛い人を見た時にある心理が働きます。その心理のことをハロー効果といいます。見た目の優れた人を見ると、能力まで優れているように見えるという効果です。

実は、ネガティブな気分の時、この心理が働きづらくなると言われています。ゆっくりとした思考になり、人のことを良く観察するからこそ、印象に騙されにくくなるのです。逆に言えば、ポジティブな時は騙されやすくなるということでもあります。

3.人を気遣う

ネガティブで礼儀正しくなるという研究結果があります。その研究で分かったのは、ポジティブな人よりもネガティブな人のほうが、お願い事をされた時に丁寧な対応をするということ。お風呂掃除を頼まれれば、すべてピカピカにする、といった感じです。

4.説得力が上がる

説得力のあるメッセージとは、具体的かつ訴求力のある言葉が書かれたものです。

ネガティブな気分は思考をゆっくりにさせ、考える力を上げてくれます。具体的かつ訴求力のある言葉を考えるに絶好の気分だといえるのだそうです。

 

ポジティブとネガティブの理想的な比率

お伝えしてきたとおり、ネガティブにはメリットがいくつもあります。しかしだからといって、ネガティブでいることが常に正しいわけではありません。

ポジティブとネガティブには理想的な比率があるのです。

ディーナー博士曰く、

「ホールネス」を持った人たち、つまりよいことも悪いことも受け入れ、与えられた状況の中で最良の結果を掴む人たちこそが、健康を保ち、仕事でも学問でも成功し、幸福な人生を深く味わうことができるのである。

我々はこれを、20パーセントのネガティブ優位性と考える。

ネガティブな感情が成功を呼ぶ(第1章)著:ロバート・ビスワス=ディーナー

とのことで、80:20が理想的な比率だといいます。

ネガティブことが1回起きれば、4回はポジティブなことに触れる。楽しすぎる日には少しはネガティブなことも体験してみる。それが幸福な人生のための理想的な一日の過ごし方でしょう。

 

まとめ

ポジティブばかり追い求めるのではなく、ネガティブなことを体験するのも幸福のためには必要なことです。

ポジティブもネガティブもメリットを活かす。80:20の比率を意識する。それだけでも、人生の幸福度や成功の確率が上がっていくかと思います。