心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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子の学歴を決めるのは親の学歴ともう2つ

school attainment parent

親の学歴が高い人ほど、子供の学歴も高くなるというのは有名な話。これはオーストラリア大学らの研究で明かされたことでもあります。しかし子の学歴を決めるのはこれだけではありません。あともう2つあるんです。

今回は、子の学歴を決める親の影響についてお伝えします。

 

何が子どもの学歴に影響するの?

南オーストラリア大学らの研究(1)では、1979年から1982年に生まれた子どもたち723人を2008年まで追い、親の何が子の学歴に影響するか調査していったんですね。

そこで分かったのが、親の知能それも母親のIQが子どものIQに影響を与えるということ。そして子どもの時のIQが学歴と相関があるということが分かったそうです。

研究で行われたのは、

  1. 723人の子どもを分析の対象にした
  2. 内402人がデータの提供に合意
  3. 親のIQや、学歴、職業的地位のデータを得る
  4. 子のIQと学歴、親のデータとの相関を分析した

といった感じです。

 

そして結果どうなったかと言うと、

  • 子の学歴は父親の学歴と相関あり(r=0.29)
  • 子の7歳の頃のIQが子の学歴と相関あり(r=0.463)
  • 2歳、4歳、思春期のIQは、学歴に関係しなかった
  • 子の2、4、7歳のIQは母親のIQと相関あり(r=0.379以上)ただし思春期のIQは関係しなかった

ということに。

子の学歴は、母親のIQと父親の学歴、子の7歳の時のIQが大きな影響を与えるということになります。ついでに、親の職業は何の影響もなかったみたいです。金持ちな家ほど、教育レベルが高そうな気もするんですけどね。

もちろん、親の学歴が高くなくても良い大学に行っている人もいます。その人はもしかすると、7歳の時のIQが高かったのかも。

 

最後に、この論文の著者は次のようなことを記しています。

子どもの認知機能と後の教育達成との関係は、我々のモデルが提案するよりも複雑である。非認知的な要因は、世代間の社会的な利益の伝達において大きな役割を果たす可能性が高い。しかしながら、大規模なニュージーランドの研究では、早期の行動の問題や家族、社会、子どもの事情に違いがあっても、7-9歳の知性と後の教育達成との間に正の相関があった。

ということで、子どもの学歴を予測するのに、家庭環境だとか社会から受ける影響だとかを除いても、IQだけは役に立つようです。私自身、子どもの頃のIQは平均くらいで、大学のレベルはちょっと難しいくらいなので当てはまっているように思います。

 

この研究では、コーホート研究ということもあり質が高いわけではありません。質問紙に頼ったデータでもあるので、信頼性は落ちます。学生の方は、たとえ親の学歴が低くとも、成長マインドセットで努力することが重要です。