「サイコパスは人に共感できない」それって本当でしょうか?
いつもサイコパスが、他人の気持ちを理解できないとは限りません。
冷淡で無慈悲、言葉巧みに人を操る彼らは、人に共感できないといわれています。
あなたの周りにもそんな人がいませんか?
そんな彼らにも、フローニンゲン大学メディカルセンターらの研究によれば、人の気持ちを理解できる共感スイッチのようなものがあるそうです。
心があるサイコパスもいるのかもしれません。今回は、サイコパスと共感についてお伝えします。
サイコパスは共感できる
フローニンゲン大学メディカルセンターらの研究(1)では、社会的に何らかの違反をしたサイコパス18人と、普通の26人を集めて共感脳の違いを実験しました。
彼らは、実験としてビデオを見せられ、その間中、脳の状態をfMRIで調べられました。
ビデオでは、2つの人間の手が様々な感情を表現するというものです。例えば、
- 近よってくる相手の手を払いのけて拒絶を表現
- 手をふれあい愛を表現
という内容。
映像に映っていたのは、手と腕だけ。
さて、ビデオを見たサイコパスの共感の程は、想像通りの結果となりました。
- 普通の人は頭皮質、前頭葉、側頭葉が活性化し、共感を感じていたが、サイコパスはどれも活性化しづらかった
つまり、サイコパスはビデオに共感しなかったということ。手で愛が表現されても、「何やってるの」と、彼らの気持ちが分からなかったのです。
しかし、ここからが実験の面白いところです。最初の実験とは違い、今度は実験者がサイコパスに向かって「演じている人の気持ちになってみて」と指示を出して、再びビデオを見せました。
すると、サイコパスの脳は、普通の人と同じくらい活性化していたのです。
この結果が示すのは、サイコパスも共感ができるということ。
サイコパスも相手の気持ちを考えようとさえすれば、他の人と同様に人の気持ちを理解できるのです。
全てのサイコパスに当てはまるかは分からない
「サイコパスも共感できるんだ」と思うのは、まだ早いかもしれません。
今回の研究に参加していたのは、中でも反社会性の強いサイコパスたちでした。なので、他の全うに暮らしているサイコパスに当てはまるかは分からないのです。
研究者曰く、
投獄されたことのないサイコパスが同じような脳の活動を見せるかは、分からない。
とのこと。
何らかの事件を起こしていないサイコパスも集めて実験しなければ、皆に当てはまるとはいえないのです。
共感できても反社会性は変わらない
サイコパスの特徴の1つに反社会性があります。ルールを破ったり、秩序を乱したりします。
たとえ、彼らが人に共感できようと、それらの特徴は変わりません。ずっと反社会的なままなのです。
研究者曰く、
様々な状況で、共感は逆向きに働く。もし、おじいさんの腕からロレックスを取りたいというとき、そのおじいさんの気持ちに感じたとしても、欲望は満たされない。状況にすぐに共感で反応しなければ、危険な行為は減らないのだ。
共感はすぐに感じなければ、欲望の方が勝ってしまうのです。元々サイコパスは、衝動性が強いというのも理由の1つでしょう。
普通の人であれば、きつい言葉を掛けたくなった時に「可哀想だから、言うのやめるか」と、思えることがあるのですが、サイコパスは思えません。「可哀想」と思ったときには、時すでに遅し。もうきつい言葉を浴びせています。
彼らは、共感ができようと、悪い事をしたいときにはするのです。
まとめ
サイコパスの特徴には、衝動性や利己的というのもあります。たとえ人に共感したとしても、自分の利益のためには衝動的に行動するでしょう。周りにいたら注意しておきたい存在です。
その他のサイコパスの特徴はこちらのエントリーに載せているので、
あくびがうつらない?サイコパスを見抜くための特徴6つ - 心理の棚
参考にしてみてはいかがでしょうか?