モテたいを叶えるための心理学をお伝えします。今回は女性向けです。
心理学を語る人の中には、嘘を口にする方が少なくありません。
たとえば、つり橋効果。研究者がつり橋効果をもう一度検証してみたところ、イケメンや美女にしか効果がなかったという結果が出ています。魅力のない男女が映画館やジェットコースターでドキドキしても、恋と勘違いはしないのです。
実は、赤い服を着るとモテるというのも、怪しい話です。
今回は、赤に関する心理学と、モテるための見た目の工夫をお伝えしていきます。
赤い色の服ではモテない
ロマンティックレッドと騒がれ、赤い服でモテるといわれていますが、実際のところ残念な結果が出ています。まずは、元ネタから紹介していきます。
なぜ赤でモテるといわれたのか?
「赤は、繁殖能力の高さを表す」「バレンタインや唇の色を連想させるから魅力がアップする」
そのような根拠を元に、科学者らが心理学の実験(1)を行ったところ、女性も男性も赤でモテることが確認されたそうです。多くの人が勘違いしてしまった原因は、この研究にあるわけです。
実験では、男性に2種類の写真を見せて、その人のどれだけ魅力的かを評価しました。魅力がないなら1点、あるなら5点という採点方式です。
写真には、赤色、または他の色で背景に工夫をしました。どの色が最もその人を魅力的に見せるか調査したわけです。その結果、赤い背景の女性の写真ほど、魅力的だと評価されました。男性も同様に赤の方が女性に高く評価されたとのことです。
その後の論文でも、赤いアクセサリーを持ってるだけでその人の魅力が上がったという報告も出てきました。
この話を聞くと、「なるほど、赤でモテるんだ」と思ってしまうのも無理はありません。しかし、そんな魔法みたいな話あるわけないと疑っている人もいるでしょう。では、新しい研究から、本当の話を見ていきましょう。
赤ではモテないという新しい研究結果
元ネタの論文が発表されたのは、2008年のこと。ずいぶんと前なんですね。
ということで、2018年の研究結果(2)を見てみます。
研究の結論を先にいいますと、
- 女性が赤を身につけた場合、ほんのちょっと効果があるかもしれない
- 男性が赤を身につけた場合、全く効果がない
とのことです。
この研究は、ドミニカン大学とロチェスター大学が行ったもの。女性は45個、男性は36個の研究をまとめた、メタアナリシスという科学的な信頼性の高いデータです。元ネタの実験方法よりも、かなり信頼できます。
その研究によると、女性が赤を身につけても他の色を身につけても大した差はない、過去のデータに偏りを調整すると、ほぼ効果がないに等しいとのこと。
男性に関しては、全く効果がないという結論になっています。
赤を身につけても、モテるなどと口に出来ないのです。
顔の赤らみだけは効果アリ
赤に効果がないといっても、服でなく体から発せられる赤みは魅力を上げるという結果も出ています。
恥ずかしさで、ぽっと頬が赤くなる人がいますが、その様な人は魅力的に見えやすいということです。
守ってあげたいという気持ちが湧くからでしょうか。
「顔がすぐ赤くなる」と悩む人もいますが、実はモテやすいという武器になるのです。
ちなみに男性も効果があるとのことなので、シャイな男性にも朗報ですね。
何色の服を着たら良いの?
赤がダメならどの色が良いのでしょうか?
あなたの性格にあった色や好きな色を着て良いと思います。
一部のネットや本では、寒色系がモテるなどといっていますが、そんなことはありません。
どんな色でも魅力は変わらないので、お好みの色の服でOKです。
そもそも色の心理学は間違いだらけ
色の心理学には怪しいところがあります。こんな話を聞いたことがないですか?
「ピンクで緊張が和らぐ」「青色で集中力があがる」
興味深い話ですよね。しかし、どちらも正しくありません。
こちらのエントリーを参照しても分かるのですが、研究で青色と他の色を比べても、集中力に差がなかったという結果が出ています。
ピンク色もおなじです。緊張が和らぐのは、元々ピンクが好きな人だけ。全ての人に当てはまる話ではなかったのです。
色の心理学は、一部の人が勝手にいっているだけということ。科学的に証明されていないことが多いのです。
本当に効果があるモテるための心理学
心理学で効果が証明されている方法は、メイクとヒールの2つです。
この2つなら、研究者達に「モテる!」といわれています。
メイク
朝、何時間もかけてばっちりメイクをする人がいます。綺麗になるための努力を惜しまない人は素敵だと思います。が、男性から見てもっとも魅力的に見えるメイクとは、薄いメイクです。
一目見て、「目でかくしてるなぁ」「ほっぺ赤過ぎない?」と分かってしまうと、戦略的な女性という感じがしてきます。
実際、日本の研究で男性にどんなメイクが好きかと聞いても、ばっちりメイクは印象が良くないという結果が出たとのことです。
研究では、10人の女性の3パターンの写真を用意し、男性に魅力度を評価してもらいました。
- ばっちりメイク
- すっぴん
- ナチュラルメイク
男性らの評価は、7点満点中でばっちりメイクが約4点、すっぴん約3点、ナチュラルメイク約5点でした。もっとも魅力的なのは、ナチュラルメイクだったのです。
ということで、もっともモテやすいのは、化粧の薄い女性です。
ヒール
5cm以上のヒールを履いてみてください。9cmなら、もっと魅力的に見えます。
街中を歩いている人を見ても、男性の目が自然と引かれるのは、ヒールを履いている人です。「スタイルいいなぁ」と思って足元を見てみると、大抵の人が履いているんですよね。ヒールがモテを高めるのは、間違いありません。
では、理想的な高さとはどれくらいなのでしょうか?
心理学者のニコラス・ゲゲンさんらの研究によると、9cmがベストとのことです。
彼らは、こんな興味深い実験(3)を行っています。
道を歩いている女性が突然、手袋を落とします。そのとき、落とした女性のヒールの高さが何cmのときに、男性は助けるのか?というのを観察しました。
すると驚くことに、9cmのヒールだったときには93.3%の男性が助け、5cmでは78.3%、平らだと61.7%という結果になったのです。
ヒールを履くと足が長く見えるからかな?と思う方がいると思いますが、それだけが理由ではありません。
ヒールによって、腰からヒップにかけての曲線が強調されて、美しく見えるからというのが理由だそうです。
試しに履いてみると、男性からの視線が集まりやすくなるかもしれませんね。
補足
ニコラス・ゲゲンさんらは、もう1つ面白い実験(4)を行っています。
この実験では、9cmのヒールを履いた女性と平らの靴を履いた女性のどちらが魅力的に見えるかというもの。面白いのは、足元を隠した写真を評価してもらったというところです。
男性らが、彼女らの写真を評価した結果は、
- 約80%の男性がヒールを履いた女性を魅力的だと評価した
ということでした。
ヒールは女性にとっての武器となるようです。
まとめ
意中の男性を落としたい、興味をもってもらいたい、視線を集めたい、という方は、ナチュラルメイクと9cmのヒールで望みが叶いやすくなります。
どちらの方法も、心理学がその効果を保証しています。
その一方、赤い服を身につけるとモテるというのは、かなり怪しい話です。
もちろん、身につけても構わないのですが、もしも赤が似合わないと思っていたら他の色に変えるべきだと思います。
一番自分が魅力的に見える色を見つけたほうが良いでしょう。
さらに詳しい恋愛の心理学を知りたいという方は、こちらの本をお手に取りください。
ベストな告白タイミングや、告白の方法、失恋からの立ち直りなど、恋愛を有利に進めるための方法がやさしく書かれています。科学というタイトルがついていますが、読みやすいです。