心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識が得られるでしょう。

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ピザとリンゴ、不健康な食品を買いたくなる香りはどっち?


apple-pizza
ピザの芳ばしい香り、りんごのフルーティーな香り、どちらを嗅ぐと、不健康な食品を買いたくなると思いますか?

ピザの香りでカロリーの高い食品を買いたくなるのでしょうか?それとも、りんごで、ヘルシーな食品を買いたくなるのでしょうか?

答えは、Journal of Marketing Researchに掲載された論文にあります。BiswasさんとSzoocsさんの研究から、その答えを見ていきましょう。

 

香りで購買行動は変わるの?

BiswasさんとSzoocsさんは、いくつかの実験を行って、香りが購買行動に与える影響について明らかにしました。その結果、食欲をそそる匂いとそそられない甘い匂いを嗅いだときでは、購買行動が変化することが分かったそうです。

 

たとえば、こんな実験を行っています。

ミドルスクールのカフェの入り口付近に3つのうちどれか1つの介入を行いました。

  1. ピザの香りを漂わせる(食欲をそそる香り)
  2. りんご 〃 (甘い香り)
  3. 臭いなし

午後になると、学生たちはいっせいにカフェに集まって、食事を取ります。そのとき、どの介入が食事の注文に影響を与えるのかを調べたのです。

香りの介入は、3日間に渡って行われました。1日に1つの介入を行い、香りは2分以上嗅げたとのことです。

そして3日が経ち、カフェの売上データを見ると、こんな結果が出ました。

  • ピザのときは、不健康な食品の売上数が全体の約21%だった
  • りんご、無臭のときは、不健康な食品の売上数が約36%だった

他の2つよりもピザで、ケーキやお菓子のようなカロリーが高い食事を摂らなくなったということです。

食欲をそそられる香りが漂うと、不健康な食品を買いにくなるのかもしれません。

 

香りで食品の選択が変わる理由について、研究者は、「脳の報酬回路が満たされるから」と説明しています。人は高カロリーな食品を見ると、食べたいという欲望が沸くのですが、その欲望は匂いを嗅ぐことで満足させられるということです。なので、不健康な食品を買う気がなくなるのです。

 

ちなみに、ドリンクに関しては、統計的に有意な結果が出ていないとのこと。香りは、食品にしか影響しないのかもしれませんね。

 

ただ、これ1つの実験を見ただけでは、結果に疑いを持つひともいるでしょう。「たまたまその時だけ、不健康な食品が売れなかったんじゃないの?」というように。

しかし、BiswasさんとSzoocsさんは、さらにラボでの実験やスーパーマーケットでの実験もしたところ、そこでも同様の結果が出たそうです。香りをチョコレートチップクッキーといちごに変えても、食欲をそそられる匂い(クッキー)で、不健康な食品の売上が減ったのです。

 

とはいっても、単に香りを漂わせておけば、購買行動が変わるわけではありません。BiswasさんとSzoocsさんが実験を詳しく分析すると、香りを嗅ぐ時間によっては効果がないことが分かりました。30秒以上嗅がないと、購買行動に影響しないのだそうです。ある程度嗅ぎ続けなければなりませんね。

 

まとめ

「ピザの芳ばしい香り、りんごのフルーティーな香り、どちらを嗅ぐと、不健康な食品を買いたくなると思いますか?」に対する答えは、りんごでした。

食欲をそそられる香りを嗅ぐと、人は、健康食品の方を買いたくなります。

ダイエット中の人は、この結果を利用して、食事の前に食欲をそそる香りを30秒以上嗅げば、カロリーの高いデザートに興味を示さなくなるかもしれません。

実際に興味がなくなるか試してみてはいかがでしょうか?