心理の棚

心理学の論文や書籍から得た知識をシェアしていきます。当ブログでは、心理学の知識を学べるでしょう。

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会話が苦手でも、初対面の人から好かれやすいことが判明

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初対面の人と話す時に、「気まずくさせたらどうしよう」と心配になることはありませんか?

「上手く喋れるかな?」「何話したらいいんだろう?」と不安になったり、実際に上手く喋れなくて反省したりする人もいるのではないでしょうか。

しかし、ちょっと待ってください。コミュニケーションにおいて肝心なのは、相手に好かれること。上手く話す必要はありません。相手に好意さえ持ってもらえればいいのです。

実際、海外の研究では、会話の相手が初対面だった場合、たとえ自分が「上手く喋れなかった」と思っても、意外にも好かれることが分かっています。

「そんな訳がない」と思う人もいるかもしれないので、その研究を引用しながら事実をお伝えしていきます。

 

 

考えているよりずっと、相手には好意的に見られているという事実

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初対面の相手からは、私たちが考えているよりもずっと、好意を持ってもらいやすいそうです。カーネル大学らの研究論文(1)からその事実をお伝えします。

 

本当は、初対面の相手から好意を持たれやすい

カーネル大学らの研究では、初対面同士の人を集めて、こんな実験を行っています。

  • 2人で5分間会話する
  • 会話が終わったら、2人とも、相手が自分のことをどう思っているかの予想と、相手に対する好感度を1~7点で評価をした
  • 相手からの評価と、自分の予想とを比較する

その結果がこちら。

  • 多くの被験者が、相手からは好意的に思われていないだろうと予想した
  • しかし、実際には相手に好意を持たれやすかった
  • シャイな性格の人も同様に、相手に好意的に思われていないと予想したが、実際の相手の評価は、好意的であった

私たちは、初対面の人との会話で「良い印象与えられなかったな」と悲観的になりがちです。しかし、話してみると意外にも好感をもたれやすかったのです。

 

そうはいっても信用できないという人もいるはず。ですが、カーネル大学らは、他にもあと4つの実験を行い、この「初対面の人に好感を持たれやすい」ことを明かしました。(興味のある方は、論文を見てください。)

例えば、3つ目の実験では、45分間の長い会話であっても、初対面の人から好感をもたれたという結果も出ています。

今回の研究で、たとえ初対面の人との会話に苦手意識があろうと、相手からは良く思われやすいことが分かったのです。

 

なぜ初対面での会話に苦手意識を持つのか?

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好意をもたれやすいのなら、なぜ私たちは初対面の人と話すのが苦手だと考えてしまうのでしょうか?


カーネル大学らの研究(1)によると、その理由は3つの思い込みにあるといいます。

 

反省からの思い込みが原因

会話が終わってから、どんなことを話したか振り返ることはありませんか?

「あそこでこう言えばよかったなぁ」と反省してはいませんか?

実は、その反省が、私たちの初対面の相手への苦手意識を膨らませてしまうのだそうです。

 

カーネル大学らの研究論文によると、

厳しい心の内の批判は、実用的になりうる。しかし、私たちは、この批判が他者のポジティブな評価の認識を妨げると疑っている。

とのこと。

会話の後、私たちは、「あー、あそこの話しもっと上手く伝えられたのになぁ」と悪かったところを反省してしまいがちです。

ところが、相手は自分のことを好意的に評価しています。その評価を素直に受け入れられればいいのですが、現実には上手くいきません。反省のせいで、意識は「上手く話せなかった」というネガティブな点に向いてしまうのです。挙句には、「私は会話が苦手」と思い込んでしまうのです。

 

 

理想的な会話の再現による思い込みが原因

2つ目の思い込みは、完璧な会話を目指そうとしていることが原因です。

頭の中で「上手く喋れている自分」を思い浮かべ、いざ会話に望む。が、実際の会話では、その自分の姿が再現できず「上手く喋れなかった」と勘違いする。

このように、「理想的な会話」を再現しようとして失敗すると、「初対面の人との会話が苦手だ」と思い込むようになってしまいます

 

プロセスとしては、「上手く喋れている自分を想像」→「その通りの自分を再現」→「しかし失敗」→「私は上手く会話できないんだなと勘違い」→「初対面の人が苦手だと思い込む」といったところです。

 

カーネル大学らの研究論文によれば、

話し手は理想的な会話ができなかったと考える一方で、聞き手はその会話がもっと悪くなりえたと考えている。

この両者の比較基準の違いから、話し手は、「パートナーが会話を楽しんでいなかった」と過小評価してしまう原因のひとつであると考えられるだろう。

とのこと。

相手からすれば、話し手の理想の会話など知る由もありません。なのに当の本人は、「考えてたはずのことが、上手く話せなかったから会話は苦手」と思い込んでしまうことで、会話に苦手意識を覚えてしまうのです。

 

自分の感情が表に出てるという思い込みが原因

自分の緊張や不安が相手にバレていると勘違いすることも、初対面の人との会話に苦手意識を覚える原因のひとつです。

 

会話が終わってから、「声の震えで緊張してることが伝わっただろうな」などと考えてしまったことはないですか?

恥ずかしい感情を見られたという思い込みが嫌悪感を生み、「私は初対面で堂々と上手く喋れないんだ」と考えてしまうのです。

 

カーネル大学らの研究論文曰く、

人々の心の中では、どもったり緊張したり、正しい言葉を捜そうとしている。しかし、他人にはその心の内は見えない。

むしろ、彼らは、明白に見える行動に注意を払っている。

とのこと。

実際には、相手は、ボディーランゲージや声の抑揚といった表にはっきり表れる行動しか見ていません。けれども、自分の感情が伝わってしまっていると思い込んでしまい、苦手意識を覚えてしまうのです。

 

 

苦手意識を減らす方法

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「苦手意識は思い込み」、そういわれても、初対面の人との会話に自信を持てるという人はなかなかいないでしょう。

そこで、認知行動療法を使った「苦手意識を減らす方法」をお伝えしていきます。

もし、これで上手くいかない場合は、ACTセルフコンパッションも活躍してみてください。

認知行動療法

苦手意識を減らすなら、「初対面の人との会話が苦手」という思い込みを矯正してみましょう。

そこで使うのが認知行動療法です。

うつや不安の治療として使われている認知行動療法ですが、その主な目的は、認知の歪みを治すところにあります。なので、思い込みの改善には持ってこいなのです。

私なりのやり方ですが、お伝えしていきます。

具体的なやり方

まずは、手順を簡単にまとめてみます。

  1. 自動思考の認識
  2. 反証
  3. フィードバック

ひとつずつ例を交えて紹介します。

1.自動思考の認識

まず行うのが、自動思考の認識です。初対面の相手と会話する前に、頭の中に浮かぶ考えを認識します。

「私は今、上手く話せないと思い込んで、相手に嫌われるんじゃないかと考えている」こんな感じです。

2.反証

考えを認識したら、その考えを否定していきます。

「嫌われるというのは、思い込みだ」

それから、その根拠を考えます。

「なぜ思い込みかというと、カーネル大学らの研究で、たとえシャイな人だろうと、相手から好感を持たれやすいことが分かっているからだ」

根拠については、先ほど紹介した3つの思い込みを考えてみるといいと思います。

3.フィードバック

実際に話してみた後、会話の振り返りをします。その時、よかった点を紙に書き出してみて下さい。

「相手の笑った姿を見れた」など、どんなに些細なことでも構いません。

3つほど書き終えれば、認知行動療法は終了です。

 

この一連の流れを行えば、認知の歪み、苦手意識という思い込みが減っていくはずです。是非、使ってみてください。

 

まとめ

初対面の会話で苦手意識をもつ理由は、次の3つでした。

  1. 会話後の反省による思い込み
  2. 理想的な会話の再現の失敗による思い込み
  3. 自分の感情がバレているという思い込み

実際には、初対面の相手に嫌われることはまずありません。むしろ、相手から好かれるほうが多いのです。

その根拠は、カーネル大学らの研究が5つの実験を行い、そのことを明かしたから。

とはいえ、自分に自信が持てず困っているという人もいます。その人たちには、認知行動療法がオススメです。

もし、効かないという人がいたら、ACTやセルフコンパッションを試してみるのも良いでしょう。